飼い主のいない動物たちへの愛情の証です
新しい家族にめぐり逢ったワンちゃん・ネコちゃん特集 2013年
「僕のたからものは、くう太です」とお孫さんが...
斎藤さんご一家が、くう太と出会ったのは全くの偶然でした。たまたま家族で散歩に出かけた海岸で、動物愛護団体「ちばわん」の譲渡会が行われており、そこにくう太がいたのです。斎藤さんと娘さんは、くう太の可愛さに一目ぼれしましたが、斎藤家には高齢で病気がちな先住犬・ジジがいるので多頭飼いは難しいかも...と、いったんは断念して帰宅。でも、どうしてもくう太のことが頭から離れない斎藤さんは家族と話し合い、みんなで協力することを条件に、くう太の引き取りを決意したそうです。 手続きを経て、くう太が斎藤家にやってきたのは、2012年11月。人懐っこい性格のくう太は、大きなトラブルもなく、新生活にスムーズになじんでいったそうです。「トイレトレーニングなど一般的なしつけは、すでに以前の飼い主さんや『ちばわん』の預かりさんがやって下さったらしく、うちでは何のしつけをする必要もありませんでした。本当にお行儀が良くて人の言葉もよくわかり、こちらが申し訳なくなるくらい、いい子です(笑)」と、斎藤さんも驚くほど「できた犬」だった、くう太。先住犬のジジともすぐに仲良くなりました。 しかし、くう太のそれまでの生活は決して恵まれたものではありませんでした。最初の飼い主には虐待を受け、2番目の飼い主にひきとられたものの、その方が認知症になったため飼養放棄。その後、「ちばわん」に引き取られたというのです。そのせいか斎藤さん以外の家族には最初、あまり心を開かず、近づくとやや緊張した様子をみせることもあったそうです。でも1ヶ月ほど経つと、すっかりリラックスできるようになり、今ではすっかり斎藤家の一員に。同居する斎藤さんのお孫さんとは特に仲が良く、お孫さんは保育園の卒園記念DVDで「僕のたからものは、くう太です!」とインタビューに答えたのだそうです!
一緒に穏やかに、のんびりと年を重ねていきたい
実はくう太を飼うまで、保護犬に特別な関心を持っていたわけではないという、斎藤さん。くう太を飼い始めてから、改めて問題の根深さを知り、心を痛めているそうです。「私たちが保護犬を飼う楽しさをたくさんの人に伝えれば、助けられる命が1つでも増えるかもしれない」と思い、散歩中に尋ねられると、殺処分問題のことや、保護犬のこと、そして保護犬の良さを話して聞かせることも多いのだとか。「特に僕くらいの年齢になると、元気いっぱいの子犬を一から育てるのは大変。その点、保護犬は保護団体の方に健康管理や基本的なしつけをしてもらった上で飼えるので、負担が少なくて済みます。人生の後半を共にのんびり過ごすには、最高の相棒じゃないかな」と斎藤さん。
現在、くう太は7歳ですが、健康状態は良好。ただ、譲渡時に「ちばわん」から伝えられた通り、やや軟便の傾向があるので漢方薬を与えたり、また、ノミやマダニの対策としては定期的にフロントラインを投与するなど、健康管理に気を使っているそうです。SPPについては「民間企業が動物愛護の取り組みすることは、一般の方への啓もうにも繋がる素晴らしいこと。これからもがんばって欲しい」と、エールをいただきました!
最後に今後の夢を聞いてみると、斎藤さんは「くう太が一緒にいてくれるだけで、満足。一日一日を大切に、一緒に穏やかにのんびりと年を重ねていきたいね」とにっこり。その斎藤さんの膝の上には、すっかり「お父さんっ子」になった、幸せそうなくう太の姿がありました♪
家族の愛情に包まれて幸せな毎日を暮らす、くう太。これからも家族の真ん中で、みんなを仲良く、笑顔にする存在でいてね!