飼い主のいない動物たちへの愛情の証です
シェルターのボランティアについて
カリフォルニア大学デイビス校で、シェルターメディシンの研究をなさっている田中亜紀先生に、シェルターでのボランティアについてお伺いしました。
シェルターメディシンについて詳しくはこちらをご覧ください。
家を失った動物が保護されるシェルターでは、一般の方々の少しの優しさが大きな助けになることがあります。
シェルターには今までどのような生活をしていたか分からない動物達がたくさん集まります。家族とともに暮らしていたかもしれない動物、放浪生活が長く、ほとんど人と接触したことがなかった動物、迷子になってしまった動物など様々です。このような動物を一時保護して、元の飼い主さんに戻してあげたり、新しい家族と引き合わせてあげたり、いわば動物達に第2のチャンスを与えてあげるのがシェルターです。
シェルターでは動物に必要なケア以上のことが中々出来ないことが多く、動物がシェルターでももっと快適に、もっと楽しく暮らせるようにしてあげるだけで動物本来の可愛い行動をもっと引き出すことができ、そこのお手伝いが出来るのがシェルターでのボランティアさんの大きな役割になります。シェルターに可愛い仕草をする動物が増えれば、シェルターからの譲渡も増えて、多くの命が救われることになります。シェルター先進国である欧米でも、ボランティアさんの力はシェルターを支える上でもとても重要で、不可欠な存在です。
シェルターにとってボランティアさんはとても大事なのですが、シェルターに関わる上で覚えておかなければならない注意点もたくさんあります。シェルターにいる動物達は家庭のペットとしての犬や猫とは違った管理をされています。多くの動物を1カ所で管理している訳ですから、家庭とは全く違った環境に動物達はいます。よって、「感染症」という伝搬の可能性のある病気や、シェルターという特有の環境にあるストレスによる病気がとても多く、シェルターに特異的な問題を理解した上でボランティアをすることが大事です。
シェルターで定められたルールや職員の指示に従い、楽しくボランティアすることによって、地域の多くの方々がシェルターに関わって地域全体で動物達を守るシェルターワークにしていけば、動物も人も安心して暮らせる社会につながると思います。
- ●ボランティアをすることによってシェルターで病気を広げないこと
- ●間違ったハンドリングで動物にストレスを与えないこと
- ●シェルターの職員の指示やルールには必ず従うこと