飼い主のいない動物たちへの愛情の証です
官民一体となって
殺処分を減少する原動力
「限りなく殺処分ゼロ」を実現した、熊本市動物愛護センターの松崎所長(※)にご自身の経験から幸せなペットを増やすために私たちにできることをご紹介していただきます。
使われなくなって数年が経つドリームボックスと呼ばれる処分機
熊本市動物愛護センターには数年間使用されていないガス処分機が機械室に埃をかぶってひっそりと置いてあります。処分数が減ったため麻酔薬注射による安楽死が可能となったからです。
職員、市民ボランティアなど関係者の努力が実り、2010年度は犬猫計7頭の殺処分に留まり限りなくゼロに近づきました。
センターでは特に2006年度より、飼えないからと殺処分を依頼してくる飼い主に対して飼養継続や新しい飼い主探しを行うよう粘り強く話をしていくことを徹底しました。
当初は様々なトラブルがあったものの、職員の「これを伝えることができるのは自分たちしかいな い」「あきらめれば動物の命に関わる」という強い気持ちが皆さんの応援の声を生みました。市民ががんばるから行政もがんばる、それを見てさらに協力してく れる市民が増えるという相乗効果が持続的にでてきたことがゼロを実現できた一つの理由であると考えています。
さらに2004年に官民一体の取り組みを目指して設立した協議会と活動を行っていく中で、多くの市民からボランティアとして協力したいとの申出があり活動がさらに大きくなっていきました。
「お互いが意見を交換し、それぞれの立場でできることを考え、実行する」という市民協働の取り組みも大きく殺処分を減少する原動力になったと思います。※役職は2010年当時のものです。