Vol.3 ペットと一緒に避難訓練をしてみよう!
多くの貴重な命を奪い、各地に甚大な被害をもたらした東日本大震災から、5年。震災で得た教訓を風化させないために、そして大切なペットの命を守るために、今、私たちには何ができるのでしょうか?
第3回目は、実際に災害が起きた場合を想定したトレーニングの様子をご紹介します。飼い主ご自身でできることばかりなので、ぜひお試しください。
災害はいつ、どこで誰の身に起きてもおかしくないことです。私たちはドッグトレーニングの通常レッスン中、折を見て災害を想定した避難訓練を行っています。ここでは地震を想定した訓練のポイントを紹介します。ご自身でチェックしてみてください。
震度5の地震が発生した場合を想定した訓練
指示:「震度5の地震が発生しました!必要なものを持って、避難してください」
(1)室内での確認
あらかじめ災害時のために避難グッズを1ヶ所にまとめておくと、避難もスムーズです。
ポイント
実際の避難時にはペット用の避難グッズだけでなく、自分自身や家族のものも持ち出す必要があるはず。あれもこれも…とついつい欲張りがちですが、自分一人でペットを同伴避難しなくてはならなくなった場合、果たして全部自力で持ち出せる量なのかどうかを考慮して、避難グッズを厳選しましょう。
(2)移動に関する確認
ペットをキャリーバッグやカートに入れるまでの時間(避難できる体制が整うまでの時間)、自宅から避難場所に到着するまでの時間も計っておくことも大切です。また家族が外出中に避難することになった場合は、避難先を知らせるためのメモをドアに貼ってから避難するようにしましょう。
ポイント
マンションなどの集合住宅に住んでいる場合は、エレベーターを使わずに非難する練習を。災害発生時にはエレベーターが止まり、階段を使って非難せざるをえないケースが多いからです。ペットを入れたキャリーやカート+避難グッズを抱えて階段で避難することの大変さを、事前に確認しておきましょう。
(3)避難場所での確認
避難所に到着したら、持ち出した避難グッズの確認を。冷静になってみると、必要なものを持ってきていなかったり、逆に不要なものを持ってきていたりするものです。気づいたことは書き留めておき、改めて避難グッズの見直しをする際の参考にしてください。
ポイント
訓練はできれば他の飼い主と一緒に行いましょう。お互いの避難グッズを確認し合うと、非常に参考になります。
(4)まとめ
いかがでしたか?実際にペット+避難グッズを持って避難することの大変さを改めて実感された方が多いのではないでしょうか?
災害時に1人の人間が守ることのできる頭数は限られています。「小さいから大丈夫」「可愛いからたくさん飼いたい」と安易に多頭飼いをするのは考えもの。多頭飼いを考えている方は、本当に自分はその犬たちの命を守ることができるのかをよく考慮した上で、判断するようにしてください。
私たちは東日本大震災の記憶を風化させず貴重な経験を活かすために、これからも災害を想定したトレーニングを広めて行こうと思います。皆さんもぜひ定期的に自主訓練を行い、いざというときにペットの命を守るための準備をしておきましょう。
ドッグトレーナープロフィール
Dog index MIKI(萩原 美樹)
イヌとカナダに渡加したことにより、イヌとのよりよい関係に気付く。 カナダのドッグトレーナー養成学校卒業。 帰国後、2007年 Dog index設立 「おやつ」や「もの」に頼らない人とイヌとの関係性に重視。