飼い主のいない動物たちへの愛情の証です
保護犬・保護猫がつなぐみんなの幸せ特集 2014年
茶介(チャスケ)(推定4歳半、♂)原さん(山形市在住)
ノミ・マダニ駆除薬「フロントライン」では、「セーブペットプロジェクト」を展開し、動物病院で処方される売上の一部を、犬や猫の殺処分低減のための活動に寄付しています。
東日本大震災の被災地で大けがを負った猫の茶介は、セーブペットプロジェクトが支援する団体に保護され、現在は山形市で新しい家族とともに暮らしています。震災から約3年、茶介はどんな毎日を送っているのでしょうか?取材しました。
震災で大やけどを負い、保護された茶介
茶介は東日本大震災の直後、被災地で体中に大やけどを負った姿でさまよっているところを、たまたま通りがかった宅配業者の方に保護されました。保護された当時、茶介の肉球や毛は焼け焦げ、文字通りボロボロの状態に衰弱していたと言います。すぐに3時間かけて「動物いのちの会いわて」の保護施設に運ばれた茶介ですが、やけどの状態がひどかったため、近くの動物病院で入院生活を送ることに…。
2か月後、治療の甲斐あって茶介のやけどは完治。しかし、元の飼い主が不明だったため、退院後はリハビリを兼ねてボランティアの一時預かりさんのお宅で、他の保護猫たちと生活しながら新しい家族を探すことにしました。
ちょうどその頃、猫をさがしていたのが、茶介の現在の飼い主・原さん。以前から何頭もの迷い犬や捨て猫を保護して育てていた原さんですが、その半年ほど前に長年飼っていた愛猫を亡くし、寂しい思いをしていたそうです。「震災の年だったこともあり、保護猫の中でも被災地の猫に絞って探していました。いろいろな保護団体のウェブサイトを見ていたところ、茶介と目があってしまって…(笑)」と原さん。「やけどのことなどは、全く気になりませんでしたが、私たちが住む山形から、茶介が保護されていた岩手は結構遠いので、一瞬躊躇したんです。でも、やはりあきらめきれなくて…。意を決して会いに出かけました」。
そこにいてくれるだけで、幸せな気持ちに…
こうして、山形の原家に新しい家族として迎えられた茶介。現在は原さんと原さんのお母様と一緒に元気に暮らしています。来た当初、10日間ほどは不安がって鳴いていた茶介ですが、今ではすっかり安心しきった表情。肉付きがよくなり、バサバサだった毛もすっかり艶がよくなりました。やけどの跡も、よく見てもわからないほどに回復しています。
「まだ茶介の元の飼い主さんのことは何もわからないのですが、もし見つかったら『元気ですから、安心してください!』って言えるように、大切に育てています」と原さん。お母様も「地震で怖い思いをし、ケガで苦しんだ分、うちではゆっくり幸せにすごしてほしいですね」と話してくれました。
茶介はとても早起きで、毎日夜明けと同時にお母様を起こしに来て、朝ごはんを催促。日中、原さんとお母様が仕事に出かけている間は、一人でお留守番をしているそうです。まだまだやんちゃ盛りで、時には留守番中にイタズラをして部屋を滅茶苦茶にしてしまうこともあるそうですが「茶介が安心しきった表情で甘えてくる姿を見ていると、怒る気も失せてしまって(笑)。一緒にいてくれるだけで私たちをこんなに幸せにしてくれているんだから、多少のイタズラは『ま、いっか…』って許せちゃいますね」と笑う原さん。茶介が来てから、お母様との会話も増え、家の中がにぎやかになったそうです。
震災で亡くなった動物たちの分まで、元気に長生きしてほしい
やけどの後遺症もなく健康そのものの茶介ですが、原さんは健康管理にはとても気を使っているそう。病院に定期的に連れて行くのはもちろん、ノミ・マダニ対策も欠かしません。「フロントラインのことももちろん知っていましたが、セーブペットプロジェクトのことは知りませんでした。本当に素晴らしい活動ですね。でも私のように知らない人がまだ多いと思うので、動物病院で処方される際に獣医師の先生から説明があるといいですよね。ますますノミ・マダニ対策を頑張ろうって気になりますから!」とご提案をいただきました。
以前から動物保護団体等への寄付を続けていたという原さん。「これまで我が家では、何頭もの迷い犬や捨て猫を育ててきましたが、どのコからも、幸せな時間と大切な思い出をたくさんもらいました。不幸にして飼い主と離ればなれになったり、人間の勝手な都合で捨てられたりしたコたちを、これからも何らかの形でサポートしていきたいと思います。犬や猫を飼う際の選択肢の一つとして保護犬・猫がもっと定着したら嬉しいですね」とコメントを寄せてくださいました。
たっぷりの愛情につつまれて、のびのびと暮らす茶介。大やけどを負ったのがウソのように健康になった姿を見たら、元の飼い主さんもきっと安堵することでしょう。茶介、震災で犠牲になった多くの動物たちの分まで幸せに、そして長生きしてね!