飼い主のいない動物たちへの愛情の証です

セーブペットプロジェクトテーマ~愛情を、楽しい時間に~

Vol.4 動物いのちの会いわて

取材対象

動物いのちの会いわて
代表  下机都美子さん

   犬や猫の殺処分数低減を目指すセーブペットプロジェクト(SPP)では、フロントラインシリーズのノミ・マダニ駆除薬と犬フィラリア症予防薬の売上の一部を、新しい家族を探す犬や猫のために役立てています。今回はSPPの支援先の1つである「動物いのちの会いわて」のシェルターを訪問。15年以上にわたって地元岩手県で犬や猫の保護に取り組んできた同会代表の下机都美子さんに、これまでの活動の経緯や、これからの活動にかける想いをうかがいました。

きっかけは雫石で飼育放棄された83匹の猫たち

   「動物いのちの会いわて」は今年で会として活動を始めてから16年目を迎えます。設立当初のメンバーは6人。もともと個人として別々に野良猫のエサやりや保護活動をしていた6人が、獣医師の紹介で出会い、意気投合。2000年9月に設立したのが「動物いのちの会いわて」でした。会としての最初の活動は、野良猫たちを冬の寒さから守るために、一軒家を借りてシェルターを作ったこと。「それぞれが保護してきた20匹の猫たちの世話をして、休憩時間には一緒にお茶を飲んだり、お誕生日会をしたり…。今思えばのんきで楽しい会でしたね」と、同会代表の下机都美子さん。ところが、設立から2年後、思わぬ事件が起こりました。岩手県内の雫石町で酪農家が夜逃げ、83匹もの猫が置き去りにされてしまったのです。通報を受けてレスキューに行った下机さんらでしたが、「いざ連れ帰ってみると、もともとシェルターにいた約20匹とあわせ100匹を超える猫で、シェルターはギュウギュウ。スペースも資金も物資も人手も全て足りませんでした」。下机さんらは「このままでは、猫たちを守れない」と一大決心をして記者会見を開き、保護活動への協力を広く呼びかけたのでした。その様子がNHKで全国放送されると瞬く間に支援の輪が広がり、全国から募金や支援物資、そして「猫を引きとりたい」との申し出が届いたといいます。行政も動きました。岩手県が県の獣医師や関係者を集めて対策会議を開いてくれ、それぞれ役割分担して猫たちの保護に協力してくれることに!「県庁は各市町村のHPなどで里親募集の呼びかけ、獣医師さんたちは休日に交代で猫たちの去勢・避妊手術、という具合に協力体制が整ったおかげで、ほぼすべての猫を新しい家族の下へ送り出すことができました」と下机さん。

「あなたがその気になれば、あの犬たちを全部救えるのよ」

   ちょうどそのころ、同会にはもう1つ大きな転機が訪れました。猫だけでなく、犬の保護も行うようになったのです。きっかけは動物愛護活動家の野上房子さんとの出会い。岩手にやってきた野上さんの希望で一緒に県内の保健所を訪ねると、そこには13頭もの犬が保護されていました。一度はそのまま保健所を後にした下机さんでしたが、その日、野上さんを囲んでの食事会の席上で、あるスタッフが「あの犬たちを引き取りたい」と言い出しました。「それを聞いて私が『13頭なんてとても無理よ』と言ったら、野上さんが『あなたがその気になれば、あの犬たちを全部救えるのよ』って…。その言葉にハッとして、結局その13頭を全て引き取りました(笑)」。
   これがきっかけで、保健所から引き取り手のいない犬を引き出しては、譲渡会等で新しい家族を探す活動にも本格的に取り組むようになった同会。オリジナルカレンダーやポストカードの収益、全国から寄せられる募金や物資、会員の年会費(3000円)等を支えに、ボランティアの手を借りながら、猫や犬の保護と譲渡に奮闘する日々が続きました。

被災地の犬猫161頭を保護。東日本大震災の教訓とは…?

   そして2011年3月11日。東日本大震災が発生。岩手県にも甚大な被害があり、多くの尊い人や動物の命が失われました。幸い同会の施設やスタッフに大きな被害はなかったため、下机さんらは震災発生10日後には被害が大きかった陸前高田市に入り、犬や猫のレスキューに着手します。「ところが避難所に行っても犬や猫をすぐには見つけられませんでした。というのも、避難所に犬猫を連れて入ると周囲の人とのトラブルになるからというので、皆さん、建物の外に繋いだり車に乗せたままにしたりして、肩身の狭い思いをしていらしたんですね。そもそも、各自治体の避難所は、住民が犬や猫を連れて避難してくることを前提に設営されていなかったのです」。愛犬・猫を連れて避難してきた人も、避難生活が1週間、10日と長引くにつれ「とても今は飼えない」と、同会に愛犬・猫を託すケースが増えてきました。結果として、同会は計161頭もの被災犬・猫を引き取り、奮闘の末、ほぼすべての犬猫を新しい家族のもとに送り出したのでした。この経験を活かそうと、下机さんは岩手県の災害時対応マニュアルの見直しに協力しました。「新しいマニュアルには、大震災の教訓を生かさないと意味がありません。たとえばペット同伴で避難してきた人が安心して過ごせる避難所の整備や、ペット飼育可の仮設住宅の準備などには必ず取り組むべきです。同じ過ちを繰り返さないようにしないと、せっかくの教訓が無駄になってしまいます」と下机さん。「同時に飼い主自身もペットの同行避難の訓練に参加したり、留守中に災害が起きたケースを想定して近所の人にペットのことを頼んでおくなど、飼い主としてできる限りの準備をしておくべきだと思います」。

15年間の活動で得た学びと教訓を次世代に

   2015年6月現在、同会が保護するのは犬25頭、猫230匹。震災以降、犬の数は徐々に減っているものの、猫はまだまだ多いのが現状です。この大所帯を支えるのは、全国からの募金や支援物資、ボランティアの方々、年会費を支払って会の活動を支援する約3000人の会員、そして地域の獣医師たちのサポートだといいます。「シェルター内に診療所を設置した際には、知り合いの獣医師の先生方が中古の医療機器を快く譲ってくれました。それにノミ・マダニ駆除薬の『フロントライン プラス®』を『よかったら使って』と、寄付してくださる先生方も。うちの会ではすべての犬・猫にノミ・マダニ駆除を行っていて、毎月大量の駆除薬が必要ですから、本当に助かります。数が多いので投与が大変でしたが、最近は食べさせるタイプの駆除薬・ネクスガード®が出て、すごく楽になりました」と下机さん。

   「会の設立から丸15年、本当にたくさんの皆さんに支えていただきました。これからは私たちも少しずつご恩返しをしていきたいですね」。そんな思いから、最近では同会のシェルターを岩手大学獣医学部の学生に研修の場として開放しているほか、地元の小中学校で動物愛護に関する講演を引き受けることも多いそうです。「会の活動で得た学びや教訓を、次の世代の若者たちに引き継いでいくのも、私たちの使命の1つ。保護犬・猫を生まない社会、小さな命を大切にする社会が実現できるよう、これからも微力ながら活動を続けていきたいですね」。 (おわり)

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