飼い主のいない動物たちへの愛情の証です

第11回 鈴木家と次郎くん

歴代の犬がすべて保護犬のご夫婦と先住犬1頭

「セーブペットプロジェクト」(以下、SPP)では、動物病院で処方されるフロントライン®シリーズやネクスガード®シリーズ、メリアルのフィラリア症予防薬、犬・猫用オールインワン寄生虫ケア薬、そして犬用デンタルガム・オーラベットの売り上げの一部を新しい家族を探す保護犬や保護猫たちのために役立てています。

この特集では、そんなSPPの支援先である動物保護団体から保護犬・保護猫を引き取った家族のお話をご紹介しています。今回は、NPO法人日本動物生命尊重の会(以下、ALISの会)から全盲の次郎くんを家族に迎え入れた杉並区の鈴木家を訪れ、保護犬への強い思いで、ALISの会のボランティアスタッフとしても活動する鈴木家の奥様、葉子さんにお話を伺いました。

助けてあげられなかった思いが保護犬と向き合うきっかけに

鈴木家は、これまでに先住犬の萩ちゃんと次郎くんを含め5頭の保護犬を飼ってきました。いずれも、個人宅で様々な事情により飼えなくなった犬を引き取ったり、あるいは保護団体から譲度を受けたりと、その姿勢は徹底しています。保護犬を飼うにあたり、どのようなきっかけがあったのか尋ねてみると、葉子さんはこんな話を聞かせてくれました。

「小学生の頃、ビニール袋の中で鳴いていた子猫を家に連れ帰ったことがありました。でもミルクがあげられず、結局死なせてしまって……。あのとき助けてあげられなかったことを今でも後悔しているんですね。」以来、葉子さんはお腹をすかせた猫や犬を見ると放っておくことができなくなってしまったそう。

「とくに思い出深いのが初代のサリーでした。会社の寮がある黒姫高原の、とあるホテルで飼われていた犬で、そこが倒産してしまったために犬だけが取り残されてしまったのです。ホテルのオーナーは週に一度大量の餌をやりに来るのが精一杯で、あとは近所の人が好意で餌をあげている状態でした。結局、3頭いたうちの2頭が亡くなってしまったため、私の方でオーナーと直接交渉し、サリーを東京へ連れてきたのです。」と葉子さん。既に9歳を迎えていたサリーちゃんは、恐がりな一面もありましたが、ご夫妻によくなつき、近所でも人気の犬になったそうです。しかし、3年目で乳腺腫瘍になり、手術は成功したものの、今度は肥満細胞腫となり治療の甲斐なく亡くなりました。

このとき、葉子さんは「高齢犬をむやみに治療したことで、苦しませてしまったのでは」と思ったそうです。その後も、保護団体経由で3頭目のメイちゃんを譲り受け、獣医師や保護団体のスタッフからアドバイスを受けながら、決して若くはない犬とのつき合い方を学んだそうです。

恐がりの犬と全盲犬の2人3脚で

メイちゃんを甲状腺機能低下症で亡くしたあとに、茨城の顔なじみの保護団体から迎えたのが、柴犬系ミックスの萩ちゃんでした。「萩はとてもシャイで恐がりの子でした。預かりボランティアさんのところに様子を見に行ったときも、椅子の下から出てこない。未だに散歩は嫌がりますね。」

そして、その3ヵ月後に次郎くんが加わります。はじめ、鈴木家では次郎くんを飼うことを考えていませんでした。次郎くんは、葉子さんが、ALISの会のボランティアスタッフとして、埼玉県加須市のとある多頭飼育崩壊(飼っていた犬や猫などが繁殖を繰り返し、適切に飼育出来なくなるほど頭数が増えてしまった)現場からレスキューした雑種の犬でした。32頭がつながれた状態で放置されたその現場は、ガリガリに痩せてしまった犬同士が共食いをするような状態で、目を覆いたくなる惨状だったといいます。しかも、長年の近親交配の結果、次郎くんは生まれながらの全盲でした。他の犬は内蔵を患うなどの重篤な症状がみられましたが、幸い次郎くんだけがフィラリア症のみの軽症だったのです。次郎くんは預かりボランティアが見つかるまで、一時的に鈴木家で面倒を見ることになりました。

「目が見えないってどういう感じなのかなと思いました。体重も今の半分くらいでしたし、ちょうど萩も来たばかりでしたから、見えない子がいきなり他の子と一緒だと辛いのではと思い、次郎だけ大きなケージの中に入れて様子を見守ることにしました。」次郎くんは葉子さん手作りのごはんを食べながら、次第に健康を取り戻していきます。当初患っていたフィラリア症も改善し、今でもチュアブルタイプのフィラリア症予防薬で対策しているので、現在に至るまで症状は出ていません。「美味しいのか、あれはすごく喜んで食べますね」と、葉子さんも嬉しそう。

一方、性格面の変化について尋ねてみると、葉子さんはこんな話を聞かせてくれました。「最初の頃、次郎は人が出す物音を怖がっていました。でも、萩の存在に気づいてからは、だんだんやんちゃな性格を発揮するようになりました。ケージから出すと、次郎は萩の後ろをついて歩き回り、いろいろ学習しているようでした。萩と一緒なら庭も走れるようになってきたので、ここでさらに環境が変わるのは目が見えない次郎にとって辛いことだと思い、うちで引き取ることにしたのです。」

とはいえ、全盲の犬を飼うのは葉子さんもはじめて。ぶつかりそうな角にタオルを巻くなどの処置を考えたそうですが、すぐにそれが杞憂だと気づきます。「萩の後ろについて階段も登っていきますし、降りるのも平気。本当に見えないのかと驚かされました。萩がいなくなると、自分がどこにいるかわからなくなるようですが、すぐに萩が戻ってきて、『ここにいるよ』と導くのです。萩がいなければ、私たちもなす術がなかったことでしょう。」

恐がりの萩ちゃんも次郎くんという相棒を得てからは、お姉さんぶりを発揮するようになったのだとか。「次郎が来てから、萩がすごく威張るようになったのが可笑しくて」と葉子さん。「嬉しいことに、これまでは隠れてばかりだった萩が、帰宅した夫を喜んで迎えるまでに心を開くようになりました。」今ではすっかり体重が増えた次郎くんのおなかにもたれて眠ることもあるそうです。

個性豊かな保護犬の世界で雑種の魅力に気づいて欲しい

葉子さんは、次郎くんが大好きだという歯磨きをしてあげながら、2頭に対する思いを打ち明けます。「これまでに何頭か看取り、幸せにしてあげられなかった子もいることを思うと、この子たちにはとにかく健康でいてもらいたい。健康診断やチュアブルタイプでのフィラリア症予防に、フロントラインでのノミ・マダニ対策はもちろん、病気にさせないことを一番に考えています。とくに次郎はあの壮絶な環境を生き抜いてきたのだから、余生は大好きなごはんを食べて穏やかに過ごしてもらいたいと思います。」

幸いにも2頭とも健康状態は良好。気になるのは散歩嫌いの萩ちゃんの運動不足ですが、過去にペットシッターやトレーナーに来てもらい散歩に連れ出そうとしてもかたくなに拒んだ萩ちゃんを思うと、「無理強いさせるのは気の毒」と葉子さん。「萩は東京がダメみたい。山に連れて行くと遊ぶので、今は庭で好きに遊ばせて、たまに自然の中に連れて行きます。反対に次郎はお散歩好きなので、これからの季節はお外を歩かせてあげるのが楽しみです。」


最近ではお散歩中に、保護犬を連れた方に出会う機会も多くなってきたのだとか。ALISの会のボランティアスタッフとしても活動する葉子さんは、保護犬の魅力についてこのように話します。「保護犬の魅力は、いろんな種類の犬がいること。中でも雑種はどっしりしていてとても犬らしいと思います。雑種はどのくらい大きくなるかがわからないからと、避ける方もいますが、保護団体から譲渡してもらう子は、ある程度性格も見極めてもらえるし、簡単なしつけもしてもらえて譲渡後も困ったことがあれば相談できます。日本では血統書付きの子犬に人気が集まりがちですが、成犬の魅力にも目を向けてもらいたいですね。また、ペットを飼うなら犬種にこだわらず、相性の良い子を見つけることが一番かと思います。その点、譲渡会や里親会は、その場で一周散歩することもできますし、相性を判断しやすいのでお勧めです。」

街頭募金やレスキューなどのボランティア活動のほか、鈴木家では茨城で150頭もの保護犬を抱える個人のシェルターに金銭的な寄付を行っているのだとか。命を思う献身的な姿勢に多くのことを学ばせていただきました。

日本動物生命尊重の会(ALISの会) 
http://www.npo-alis.org

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