飼い主のいない動物たちへの愛情の証です
保護犬・保護猫がつなぐみんなの幸せ特集 2014年
ストーリー Vol.6 らむ動物病院
院長:浜谷 楽夢 先生 副院長:浜谷 創楽 先生
6頭の元保護犬が活躍中!
ノミ・マダニ駆除薬「フロントライン」では、2010年から「セーブペットプロジェクト」をスタートし、動物病院で処方されるフロントラインの売上の一部を犬や猫の殺処分数低減のための活動に寄付しています。今回は「セーブペットプロジェクト」の支援先団体を経て、新しい飼い主と出会い、今は病院の受付犬として活躍中の「しえろ」その家族をご紹介します!
埼玉県蓮田市にある「らむ動物病院」。玄関のドアをあけると、受付台から2頭のシュナウザーが顔を出して、取材班を出迎えてくれました!2頭はらむ動物病院の受付犬「しあら」(12歳、♀)と「らぁくん」(7歳、♂)です。
らむ動物病院には、2頭を含め計6頭の犬と猫の「ぼると」、ウサギのうららが常駐。それぞれ「受付」「顧問」「アイドル」などの役職(?)を持って、病院を訪れた飼い主さんの人気を集めています。元気に院内で活躍する動物たちですが、すべて保健所や多頭飼いの崩壊現場などから保護され、紆余曲折を経てらむ動物病院の院長・浜谷楽夢先生と妹で副院長の浜谷創楽先生に引き取られた動物たちです。
動物たちの中でも一番の新入りは、2012年に生後3か月で引き取られたシュナウザーの「しえろ」(2歳、♀)。真っ白な毛が印象的なしえろは、「セーブペットプロジェクト」の支援先である動物保護団体Wonderful Dogsに保護され、里親募集中の犬としてウェブサイトで紹介されていたところを、シュナウザー好きの楽夢院長が一目ぼれ。すぐに引き取ることを決めたそうです。当初、虚弱で体もかなり小さかったしえろですが、今ではすっかり回復して元気いっぱい!天真爛漫過ぎるので、まだ見習い中ではありますが、受付犬としても活躍しています。
「病気だから」という理由で選択肢から外さないで
実は、楽夢先生・創楽先生が引き取った動物は全て、体に何らかのトラブルを持っています。一般的にそういった動物は「ケアが大変そう」という理由から引き取りを敬遠されるケースが多いとされていますが、「そこは獣医師だけに不安はありませんでした」と院長。「逆に、病気や障害のあるコでも、ケア次第ではこんなに元気に生活できるんだよ!」ということを周囲の皆さんに知ってほしいと話します。「たとえペットショップで一見健康そうな子犬を買っても、その子が成長してから病気にならないという保証はどこにもありません。だから『病気だから』という理由だけでその犬や猫を選択肢から外してしまうのはナンセンス。むしろ持病がはっきりしていて薬や対処法もわかっている状態で飼えるので、病気にもよりますが、そこまで深刻にとらえる必要はないと思いますよ」
実際、楽夢先生が2012年に多頭飼いの崩壊現場から動物保護団体経由で引き取ったシベリアンハスキーの「まぁしゃ」(6歳、♂)も、普段はとても元気ですが、実はてんかんの持病があるそうです。「でも、あらかじめそれがわかっていたので発作が起きても落ち着いて処置することができましたし、日ごろから薬や体調管理をして、できるだけ発作が起きないよう予防することも可能。特に困ったことはありません」と楽夢院長は話していました。このほか、ネコのぼるとも子猫の時の事故の影響で後ろ足が不自由ですが、前足を巧みに使って自由自在に動き回っており、普段の生活には何の支障もないそうです。
一方、創楽先生からは保護犬を飼うメリットとして「自分と相性がいい犬かどうかを見極めてから飼うことができる」という指摘が。たとえば、受付犬として活躍中の「らぁくん」は活発なしえろたちに比べると、とてもビビリで繊細な性格。直接ブリーダーさんから引き取ることを決めた時点では、楽夢先生・創楽先生のどちらが飼うか決めていなかったそうですが、びびりならぁくんが初めに心を開いたのが副院長だったので、らぁくんが副院長を選ぶ形で飼い主が決まったそうです。「保護犬を飼うメリットは「人と犬がお互いにとってベストの相手か、じっくり考えられる」ことだと思います。あまり散歩に行けない生活であれば、運動好きの子は合わないでしょうし、アパート住まいだったら大型犬はかわいそうです。衝動買いしてしまうと、将来をじっくり考える余裕がなく、いい関係が築けないのかなと。犬種の性質を考える時間が必要なんだと思います。」
保護犬の存在をもっと多くの人に知ってほしい
毎日、楽夢先生・創楽先生と一緒に病院に出勤、診察終了時間まで院内で元気に過ごしている動物たち。彼らの様子を見て保護犬・猫に関心を持ち、実際に飼い始めた方々もいらっしゃるそうです。「それまで保護犬=汚くてボロボロ…という誤ったイメージを持っていた方は『こんなに可愛いコがいるの!?』と驚かれます。うちのコたちの存在が保護犬のイメージアップにつながれば、とても嬉しいですね」と楽夢先生。
創楽先生は学生の頃から関心があり、少し携わってきたそうですが、楽夢先生は2012年に開業するまでは、保護犬の存在を詳しく知らなかったそうで「何よりまずは、保護犬の存在そのものをもっと多くの人に知ってもらうことが大切。その意味でもフロントラインのような信頼されているブランドが「セーブペットプロジェクト」のような動物愛護活動に取り組むことには大きな意義があると思います。ぜひ長く続けていただきたいですね」と応援のメッセージをいただきました。
楽夢先生によると、最近では元保護犬だったという愛犬を連れて来院する飼い主さんも増えているということで「少しずつ、飼い主さんの意識も変わってきているようです。今後、保護犬・猫がペットを飼い始める際の選択肢として定着することを期待しています」とのこと。「これからも獣医師として、保護犬・猫を飼いたい人へのアドバイスや飼い始めた後のサポートに力を入れていきたい。そして1頭でも多くの保護犬・猫が新しい飼い主さんと出会い、幸せになってほしいと願ってやみません」。
取材中、とても印象的だったのは、動物たちがとても仲睦まじく過ごしていたこと。愛する家族とやりがいのある仕事を同時に手に入れて、今の生活にすっかり満足している様子がよく伝わってきました。これからもみんな仲良く、病院の看板犬・猫として活躍してね!