飼い主のいない動物たちへの愛情の証です
新しい家族にめぐり逢ったワンちゃん・ネコちゃん特集 2013年
一緒にいるだけで幸せな気持ちになれる、大切な家族
アビーの新しい家族・座木家はご夫妻と小学生の男の子2人、そして先住犬のマリーがいる賑やかなご家庭。実は先住犬のマリーも、アビーと同じくNPO法人Wonderful Dogsから引き取られた元保護犬。マリーを引き取ったのが2011年、そして1年後に2頭目の愛犬として一家に迎えられたのが、アビーなのです。そもそも座木さんご一家は、なぜ保護犬を飼おうと思われたのでしょうか?
「犬が欲しいと思うようになって、ペットショップを覗いてみたりしたこともあったのですが、『命を売買すること』に、どうしても抵抗があって...。そんなとき、たまたま近所で行われていたWonderful Dogsの譲渡会に出かけて保護犬の現状を知り、この子たちのために何か自分のできることをしたい!と思ったのです」と座木さん。さらにマリーが座木家に慣れたころ「もうちょっと頑張れば、もう1頭、うちで面倒をみられる」と思って、引き取ったのがアビーなのだそうです。幸い2頭ともフレンドリーな性格で相性も良好。マリーは悪質なブリーダーの下で繁殖犬として酷使された末に放棄、アビーは多頭飼崩壊により放棄されたそうですが、今では、2頭ともつらい過去を背負っているとは思えないほど、のびのびとした明るい表情を見せています。
「2頭が安心しきった顔でぐっすり眠っている様子を見た時など、『ああ、この子たちを迎えてよかった、居場所を用意してあげることができてよかった』ってしみじみ思います」と座木さん。「マリーのこともアビーのことも、決して『助けてあげた』とは思っていません。むしろ2頭が元保護犬だったことも忘れているくらい(笑)。我が家にとってこの子たちは、一緒に過ごしているだけで幸せな気持ちになれる、大切な家族なんです」。
1人の力は小さいけど、何もしないよりはずっといい
2頭がやってきてから、座木家にもいろいろな変化があったそうです。「まず家族の会話が増え、声を出して笑うことも多くなりましたね。お散歩を兼ねて家族で出かけることも増えましたし、家族の絆をマリーとアビーがぎゅっと固くしてくれたような気がします」。さらに2人のお子さんにも大きな変化があったのだとか。「2人とも、2頭を大切にしなくては、と思っているのか、頼まなくても自主的に世話をしてくれるようになり、責任感が強くなってきたように思います」と座木さん。お子さんたちには、命を大切にできる大人に育って欲しいと願って、殺処分問題や保護犬の現状を敢えて包み隠さず伝えているそうです。座木さんは「私たち1人1人の力は小さく、できることも限られているけど、何もしないでいるよりはずっといいはず。これからも、できることをやっていきたいと思っています」と話して下さいました。
SPPについては「アビーが適切な医療を受けられたのはSPPの支援のおかげと聞いており、とても感謝しています。企業と個人が同じ目標に向かって頑張っていけば、犬も人も幸せな社会が少しずつ近づいてくるのではないでしょうか。これからもSPPに期待しています!」と励ましのお言葉をいただきました!
温かい家族の愛情に包まれて、幸せそうなマリーとアビー。これからも2頭仲良く元気で過ごしてね!