飼い主のいない動物たちへの愛情の証です
新しい家族にめぐり逢ったワンちゃん・ネコちゃん特集 2013年
保護直後は無残な口輪の跡が...。今はすっかり元気になりました!
東日本大震災や福島第一原子力発電所事故の被害に心を痛めていた、世取山(せしやま)さんご夫妻。幼いお子さんがいるため、被災地へボランティアに出向くことは断念したものの、「自分たちにも何かできることはないか?」と思っていたところ、NPO法人東京アーク(アニマルレフュージ関西の東京支部)の活動を知ったそうです。当時、東京アークでは被災犬の一時預かりボランティアを募集しており、ご夫妻は「これならできる!」とすぐに応募。その後、被災犬だけでなく保護犬・猫の一時預かりも引き受けるようになり、これまでに10頭以上の犬・猫を預かって養育、新しい家族のもとへ送り出してきました。
しずくも、もともとは一時預かりで世取山家にやってきたのですが、一定期間が過ぎても新しい家族が見つからなかったため、最終的に世取山家が引き取ることになりました。奥様いわく、「しずくは、先住犬・シェリーとの相性もばっちり。とてもフレンドリーな性格なので、今後別の犬を一時預かりすることになっても大丈夫だろうと思って、引き取りを決めました」。しずくは東京都内の公園に置き去りにされているところを保護されたそうで、世取山家に来た当時は痩せ衰え、よほど強く締めつけられていたのか、顔には口輪の跡がくっきり残っていたのだとか...。でも、「これまでつらい思いをした分、うちではたっぷり愛情を注いであげたいと思った」というご一家の丁寧なケアの甲斐あって、今ではすっかり健康に。口輪の跡もとれてほとんどわからくなりました!
たとえ1頭でも助けられて、本当によかった
休みの日には、犬たちを連れてお出かけすることも多いという世取山さんご一家。保護以前は散歩もさせてもらっていなかったようで、引き取った直後は地面を歩くことすらできなかったしずくですが、最近は少しずつ歩けるようになってきたそうです。ご主人が「犬を飼うようになって子どもたちが動物好きになり、動物と積極的に係わるようになった」とおっしゃる通り、2人のお子さんがしずくとシェリーに優しく声をかけながら、一緒に遊んでいる様子がとても印象的でした!
元気に遊ぶしずくたちを見ながら奥様はいつも「たとえ1頭でも助けられて良かった」と思うそうです。「しずくが家に来てくれて本当に嬉しい。ただ、犬の医療費は予想以上に高額なので、SPPの支援で基本的なケアを済ませた上で、しずくを引き取れたことに、とても感謝しています」SPPについて伺うと、「企業が目立たないところで、保護犬たちのために尽力して下さっていると知って、とても心強い。私たちも引き続き、できる範囲で保護犬たちを助ける活動に携わっていきたい」と力強く語って下さいました!
世取山家にやってきて1年余りが経ち、賑やかなご家族にすっかり溶け込んでいる、しずく。
ご家族の愛情に包まれて、ますます元気に、そして幸せになってね!