猫のノミ・マダニ・フィラリア・お腹の虫
猫のノミ症状・病気
ノミの引き起こす深刻な症状
ノミは犬や猫の被毛の中に潜み、血を吸って生きている寄生虫の一種です。そしてノミは、吸血する際に犬や猫に刺激を与えてカユミをもたらします。犬・猫がノミに刺されると激しいかゆみによる精神的ストレスを受けます。さらに、それ以外にも以下のような重大な病気を引き起こしたり他のペットにうつしたりする恐れもあります。
1.貧血

病気について
- 1匹1匹のノミが血を吸う量は少なくても、大量のノミの寄生を受けると、特に子犬や子猫では貧血をおこす危険性があります
2.細菌の二次感染
症状
- 皮膚の化膿
病気について
- ノミに刺された箇所を犬や猫が掻きむしってできた傷に細菌が入り、化膿してしまうことがあります
3.瓜実条虫(サナダムシ)

症状
- 下痢・嘔吐
病気について
- ノミが媒介役となる代表的な寄生虫症は「条虫症」で、これは瓜の種状の片節を持つ瓜実条虫(サナダムシ)としてよく知られ、犬や猫に感染する病気です。成虫では60cmにもなることがあります。※ノミの幼虫がサナダムシの卵を食べると、そのノミの体内で発育します。犬や猫がグルーミング等でサナダムシの卵を宿したノミの成虫を食べることにより小腸に寄生します。瓜の実に似た片節が、糞便や肛門の周辺に付着します。
※瓜実条虫:Textbook of Clinical Parasitology in dogs and cats
4.ノミアレルギー性皮膚炎

:引用:Canine Dermatology Book, courtesy of Eric Guaguere and Pascal Prelaud.
症状
- 激しいかゆみ、湿疹、脱毛
病気について
- ノミの被害では最も重要なものです。ノミによる吸血が繰り返されると、犬や猫がアレルギー状態となり、皮膚炎をおこすことがあります。一度この病気になると、その後はわずかなノミの寄生でも皮膚炎に悩まされ、激しいかゆみや湿疹、脱毛などがおこります。さらに恐ろしいことに、いったんアレルギーになるとわずかなノミ寄生でも症状に悪影響を及ぼすため、治りかけては悪化するという状態が続くことに。そのため、完治するには時間がかかると言われています。最近では、アトピー性皮膚炎の動物がノミに刺されると、その症状が悪化するとの報告もされています。

写真提供:タムラ中央動物病院 田村幸生先生

あなどれない人間への被害
ノミの被害は動物だけではありません。ノミが引き起こす症状は人間にも被害をもたらします。ノミの寄生は動物だけの問題ではないのです。
1.ノミ刺咬症

写真提供
林皮ふ科クリニック 林正幸先生
「人にうつるノミ・ダニ」
月刊『CAP』19990年5月号 チクサン出版社から引用
症状
- かゆみ、水ぶくれ
病気について
- 人間がノミに刺されると激しいかゆみがおこり、 患部をかくことで細菌感染し、ひどい場合はアレルギーになって水ぶくれのような状態になります。
2.猫ひっかき病

猫ひっかき病によるわきの下のリンパ節の腫れ
(写真提供:公立八女総合病院・吉田博先生)
症状
- リンパ節の腫れ、発熱、頭痛
病気について
- バルトネラ・ヘンセレという菌に感染した猫に人間が引っかかれたり、咬まれたりすると、その部位が化膿したりリンパ節が腫れ、発熱、頭痛などの症状が現れるという感染症です。ノミが感染猫から他の猫へとうつします。感染猫には症状がほとんどでないので発見が難しく、飼い主様に症状が出るまで気づかないというケースが多いようです。