マダニに咬みつかれても痛みがなく猫は血を吸われていることに気がつきません。マダニは多くの病原体を媒介します。そのため吸血による貧血や皮膚炎だけでなく、命さえおびやかす病気にかかる危険性があります。
外出が多いなど、寄生リスクのある猫は特にマダニ対策が必要です。
マダニに吸血された猫 写真提供:シートン動物病院 高梨智之先生
マダニ寄生カルテ集(NDF.com)
マダニは一度吸血を始めると皮膚から取り除くことは困難です。また、マダニは人に も危険な病原体を媒介することがあるため、猫についているマダニを見つけても無理 に素手で取ろうとせず、動物病院に相談してください。
ヒトへの被害は2020年12月までに全国で573症例が報告され、
うち75人が死亡しています※。
犬の病気と思われがちですが、猫も感染します。フィラリアの幼虫を持った蚊に刺されることで体内に侵入、成長した成虫が肺や心臓に寄生し、発症します。
一般的な症状としては、咳、苦しそうな呼吸、食欲不振などがみられます。しかしながら、猫は症状を見せないことも多く、健康そうに見えても突然ショック症状に陥り死亡することもある、猫にとって大変恐ろしい病気です。
感染した場合、心臓から成虫を取り出す外科手術が行われる場合もありますが、猫への負担が大きく、残念ながら良い治療法は確立されていません。
ノミは人も刺し、その部位に皮膚炎をおこすこともあります。また、ノミは猫ひっかき病の原因菌(バルトネラ・ヘンセレ)を媒介するため、感染猫が人を引っかいたり咬んだりした場合にその部位が化膿したり、リンパ節が腫れたり、発熱、頭痛をおこしたりすることがあります。
動物に寄生したノミの成虫は、その動物の体表からほどんど離れることなく吸血と産卵(1日あたり20個~30個)を繰り返します。家の中がノミ卵・幼虫・さなぎで汚染されないよう、定期的なノミ対策を実施しましょう。
猫の年齢や健康状態、寄生虫の種類や寄生数によっても異なりますが、一般的な症状としては食欲不振、嘔吐、下痢、血便、呼吸器症状などがみられます。また、外見的には毛ヅヤが悪くなったり、子猫では発育不良になることもあります。消化管内寄生虫は種類によって形状や感染経路も異なり、ノミなどと違い目に見えないため発見が困難です。糞便中に虫卵が排泄されるため再感染にも注意が必要です。また、人に感染し深刻な病気になることもあるため、定期的な駆除が重要です。