犬と猫の寄生虫症アトラス PARASITES
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線 虫64 寄生虫対策•幼犬期から予防薬の投与を開始し、継続する。•抗原検査とミクロフィラリア検査、両方の検査を年1回実施して、投薬状況を確認する。•予防や治療には免疫が関与するため、犬の健康状態を良好に保つ。•流行地では、蚊の駆除対策を実施する。 動物に対するリスク•流行地で1年中感染が起こることがある。•犬は犬糸状虫の感染により死亡する場合がある。•犬糸状虫が肺動脈に入ると、血管および肺に永久的な損傷が生じる。•感染後6〜7カ月間は、血液中にミクロフィラリアが検出されることはなく、抗原検査でもかならず検出できるわけではない。蚊の刺咬部位から幼虫(L3)が皮膚に侵入する感染性L3幼虫L3幼虫は3日間でL4幼虫になる。L4幼虫は発育しながら組織を移行し、47〜67日後に肺動脈に達する。その後も成長を続け、4〜5カ月間でミクロフィラリアを産生するようになる血液中のミクロフィラリアミクロフィラリアがL1幼虫になり、脱皮してL2幼虫になった後、再脱皮して感染性のL3幼虫になる成虫は肺動脈枝に寄生(雌の体長25〜31 cm、 雄の体長12〜20 cm)固有宿主 犬中間宿主:ヤブカ属(Aedes)、イエカ属(Culex)およびハマダラカ属(Anopheles)の蚊など多数1324プレパテントピリオドは6〜7カ月間10〜14日間雌の成虫が産んだミクロフィラリアが血流に乗って循環蚊が血液と一緒にミクロフィラリア(前幼虫期)を吸う蚊が犬を吸血する際に血リンパ中のL3幼虫が皮膚表面に付着 人に対するリスク•とくに肺に寄生し、不顕性肉芽腫を形成することがある。イラストレーション 29犬糸状虫(フィラリア)・犬HeartwormDirofilaria immitis

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