犬と猫の寄生虫症アトラス PARASITES
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吸虫・条虫類42Joyeuxiella種とDiplopylidium種の条虫は、比較的限られた地域(地中海沿岸〜中央アフリカ)にのみ分布する。固有宿主は、家畜化された犬、猫と野生の犬、猫である。 Diphyllobothrium(裂頭条虫)属と同様、ケンミジンコ(コペポーダ)および魚が中間宿主となる片節(卵嚢を含む)ノミの蛹ノミ成虫卵嚢中間宿主が虫卵を摂取ノミの蛹のなかで六鉤幼虫に成長臨床症状``初期は特異的症状なし``糞便中に片節が観察される``片節が肛門から出入りする際に痒みを生じるため、 引っ掻く、お尻を擦りつけるなどの症状が現れる``大量寄生により、以下の症状が現れる} 発育遅延} 便秘と下痢を繰り返す消化器症状} 痙攣およびてんかん発作 人に対するリスク人獣共通感染症•感染したノミを誤って経口摂取することで、小児に感染する場合がある。感染すると、下痢、腹痛、倦怠感を起こすことがある。 寄生虫対策•外部・内部寄生虫駆除薬を投与する。•定期的に糞便検査を行う。固有宿主 犬、猫23中間宿主(ノミまたはシラミの幼虫)六鉤幼虫擬嚢尾虫41~2日2~3週間約10日~約1年間(中間宿主によって異なる)ノミが羽化して成虫となり、吸血を開始する擬嚢尾虫は、ノミが成虫となり固有宿主からの吸血を開始した後に感染性を獲得する固有宿主がノミまたはシラミを経口摂取糞便成虫(小腸)1瓜実条虫DipylidiumDipylidium caninumイラストレーション 18

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