犬と猫の寄生虫症アトラス PARASITES
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4寄生虫の種類1011原 生 動 物ジアルジアイラストレーション 2トロフォゾイトが吸盤で腸細胞に付着シストで汚染された淀んだ水トロフォゾイトまたはシストを糞便中に排泄成熟シスト成熟シストトロフォゾイト1ペットが排泄したシストを摂取(人が排泄したシストをペットが摂取することのほうが多い) 人に対するリスク•動物から感染することがある。•人と人の間で感染が起こるほうが多い。 動物に対するリスク糞口感染する。 寄生虫対策•適切な衛生管理を行う。•臨床症状がある場合は適切な治療を行う。人がシストを便中に排泄糞口感染(汚染された食品・水)宿主犬、猫臨床症状`消化器症状(下痢または軟便)2シストは数カ月間感染可能約7日動物がシストを摂取糞便ジアルジア症Giardia infection ジアルジアGiardiaGiardia duodenalis吸虫・条虫類3839条虫成虫は固有宿主の小腸で生活し、条虫の種類によっては成長して体長が1m近くになることがある小腸頭節片節が糞便中に排出される虫卵を含む片節中間宿主:ハツカネズミ、ウサギ、反芻動物(条虫の種類によって異なる)感染力を持つ幼虫が経口摂取された後、条虫の頭部が腸壁に付着六鉤幼虫中間宿主内で六鉤幼虫が感染型になる。この成長が中間宿主の生命(内臓機能)に影響する場合もある。中間宿主内の感染性幼虫体六鉤幼虫が組織(肝臓、肺、脳、腹腔、筋肉など)のいずれかで被嚢を形成する。固有宿主は感染した中間宿主の内臓や生肉を食べることで幼虫を経口摂取する嚢尾虫共尾虫片節嚢尾虫 人に対するリスクなし。ペットの条虫は人獣共通感染症ではないが、人は特定のヒト条虫に感染する。 動物に対するリスク•条虫の種類によっては、幼虫が感染した臓器によって嚢尾虫、片節嚢尾虫、共尾虫などの形態を呈し、それぞれ異なる臨床症状を起こす。 寄生虫対策•農場では適切な衛生管理を行う。•ペットに狩りをさせない。内臓や生肉を食べさせない。•生肉や十分に加熱調理されていない肉を食べない。•生野菜は十分な洗浄と加熱調理を行う。固有宿主 犬、猫2431顕性期7~30カ月間数日~数カ月間生存可能30日~6カ月間6~9週間で顕在化糞便中間宿主が虫卵や片節を経口摂取腸細胞固有宿主が中間宿主または感染組織を経口摂取``猫:猫条虫Taeniataeniaformis(ハツカネズミ)``犬:豆状条虫T.pisiformis(ウサギ)   胞状条虫T.hydatigena(小型反芻動物)   連節条虫T.serialis(小型反芻動物)   多頭条虫T.multiceps(小型反芻動物)   羊条虫T.ovis(小型反芻動物)条虫TaeniaTaenia spp.条虫症Taenia spp. infectionイラストレーション`16 寄生虫の名称寄生虫の英名寄生虫の属名番号はライフサイクルのどのステージにあるかを示します肉眼で検出できるステージ動物に対するリスク顕微鏡で検出できるステージ寄生虫対策臨床症状人に対するリスク寄生虫の生活環原生動物吸虫・条虫線虫節足動物記号の説明寄生によって起こる疾患本書の使い方人に対するリスク動物に対するリスク寄生虫対策ライフサイクルの外の矢印は終末宿主を意味します

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