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ブログ~幸せなペットを増やすために~

2018.05.30  11:54

日本の動物福祉最前線 インタビュー 大阪府動物愛護管理センター 所長 真柳 敦夫さん


 

2017年8月、大阪府に動物愛護管理センターが設立されました。これまでの狂犬病予防対策を中心とした「動物衛生行政」から、ふれあいを通じて命の尊さを学ぶ「動物愛護管理行政」へ、転換を図る拠点となる施設です。同センターは人と動物のよりよい関係づくりを目指し、「アニマル ハーモニー大阪」という愛称も名付けられています。獣医師で所長の真柳 敦夫さんに設立の背景や特徴をうかがいました。

 

 

ー 大阪府の動物行政について教えてください。

 

真柳所長(以下、「真柳」):大阪府は犬とその他の動物で担当部が分かれていました。犬は健康医療部内の「犬管理指導所」で、猫と畜産・野生動物は環境農林水産部の「動物管理指導所」が担当していました。平成17年に「動物行政一元化」という方針が示され、平成26年から動物管理指導所で畜産・野生・愛護動物を一括で管理することになりました。

当時は大阪市の公衆衛生研究所の敷地内にあり、狂犬病が発生していた昭和初期に野犬を殺処分するために作られた古い施設でした。府民の心の部分に関わる動物愛護の啓発をするにはふさわしくないという府庁の考えもあり、平成29年8月に羽曳野市に動物愛護管理センターが設立されたんです。

現在は私を含めて獣医師が14名、市行政の職員が5名、非常勤や技術者を含めて全員で30名ほどが勤務しています。

 

ー すべての動物を一括で担当するのは珍しいですね。こちらのセンターならではの強みはありますか。

 

真柳:動物愛護管理センターを環境農林水産部で管理しているのも珍しく、全国で唯一かもしれません。畜産や野生動物に詳しい獣医師もいるので、その分野の技術や知識の集積があります。例えば最近は収容動物を群管理する「シェルター・メディシン」が注目されていますが、畜産では50年ほど前から実践しているんです。「生きている動物を健康に飼う」ということに関しては、非常に強みがあると思います。

 

ー 「殺処分ゼロ」を目標にするに至った経緯を教えてください。

 

真柳:環境農林水産部の幹部とディスカッションをした際に、「われわれは動物愛護推進計画どおり、殺処分をなくすことを目指します」と伝えたんです。ところが幹部に「なくすこととゼロにすることは何が違う? ゼロと言ったらいけないのか」と聞かれて、2カ月ほど議論しました。センターだけでゼロを目指すことはできないからです。

飼い主さんが動物を終生飼育し、所有者明示で負傷動物が保護されることなく帰れるように取り組み、収容動物をなくすことで殺処分もなくなっていきます。そこで「社会全体で殺処分ゼロを目指す」という目標になりました。

病死や事故死も含め、センター内で亡くなる動物がいなくなるまで「ゼロになった」と言う気はありません。20年、30年の長いスパンかもわかりませんが、ハードルが高くても達成するつもりでやっております。

 

ー ここ10年で殺処分数は驚くほど減ってきていますね。

 

真柳:理由としては第一に、平成25年に施行された「動物の愛護及び管理に関する法律」で、引き取りをお断りできるようになったからですね。それ以前も引き取りを希望する飼い主さんに「もう一度飼えませんか」とお話しはしてきましたが、法的な裏付けをもって伝えられるようになったのは大きいと思います。動物取扱業者も安易な繁殖を控えるようになったのではないでしょうか。

府に登録している15の動物愛護団体の協力もあります。犬は高齢や譲渡に向かない性質でも引き受けてくださるので、昨年度の殺処分は成犬が39頭、子犬が3頭でした。ゼロになる日は遠くないと思っています。

ただ、団体の皆さんも人手が足りなくて苦労されています。ミルクボランティアがいないので、離乳前の子猫を育てることが難しいですね。昨年度は猫の殺処分が665頭で、そのうち約9割が子猫でした。今後は大阪府獣医師会との連携を強めて、子猫も救えるような事業を構築していく予定です。

 

ーやむを得ず殺処分する猫にも、かなり前から配慮しているとうかがっています。

 

真柳平成22年から殺処分の方法を変え、ガスではなく1頭ずつ麻酔を注射することにしました。当時は数千頭という数で、正直に言えば個別に行うと時間がかかるのですが、1日の引き取り頭数はそれほど多いわけではありません。動物愛護団体の方と話し合いをして、私たち動物管理指導者としても思うところがあり、殺処分の方法を変えることにしたんです。府民の意識が変わり、引き取り頭数が徐々に減っていることにも後押しされたと思います。

 

ー 収容される頭数を減らすため考えている手段は?

 

真柳:まずは生まれてくる猫を減らすことです。TNR(Trap, Neuter, Returnの略で、地域猫を捕獲(トラップ)して避妊手術(ニューター)を施し、元の場所に戻す(リターン)活動)。は一つの手段ではあるけれども、われわれの調査では、地域猫にしたりエサやりの制限をしたりと管理しているところが長続きしていました。そういった取り組みを支援していくほうが効果的だと思っています。

飼い猫の室内飼育も啓発していきます。実は殺処分よりも交通事故で亡くなる猫が多く、府下で1万件ほどです。飼い猫がすべて室内飼育になればかなり減るでしょう。

犬は咬傷などの問題があると残ってしまうので、飼い主さんにしつけの啓発をしていけば、最終的には引き取り数も減っていくのではないかと考えています。

 

ー 譲渡までの手続きを教えてください。

 

真柳:まずは申請書類を提出していただき、センターで審査します。高齢の方でもご家族やご親族が後見になってくだされば譲渡可能です。犬の場合はご自宅を訪問して飼養環境を確認させていただきます。猫も同様に譲渡前調査を行うことがありますね。その次に譲渡前講習会を受けたら完了です。

講習会後すぐに収容動物とのマッチングもできますが、気に入った動物がいたとしても、落ち着いて考えていただくためにその場では譲渡しません。もう一度来ていただいてからお譲りしています。

 

ー 飼い主さんやこれから動物を迎えようと思っている方にメッセージをお願いします。

 

真柳飼い主さんは動物の健康管理に気をつけてください。何か変化があれば、動物病院の獣医師の先生に相談しましょう。飼い主さんもこれから飼おうと思っている方も、動物に終生寄り添っていただきたいと思います。獣医師の一人として、動物病院の皆さんも飼い主さんと動物に寄り添い、親身になって支えていただけたら、と願っています。

 

私たちも動物の命を繋ぐために微力ながら尽くしていきたいと思います。本日はありがとうございました。

 

 

大阪府動物愛護管理センター http://www.pref.osaka.lg.jp/doaicenter/

 

 

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