セーブペットプロジェクト、愛情の証キャンペーンに関する活動報告や情報発信をしていきます
ブログ~幸せなペットを増やすために~
2017.10.25 8:39
青森駅や青森県庁などがある青森の中心地から車で15分ほどの場所に、青森県動物愛護センターはあります。
2007年に建設されたセンターはまだまだ新しくて駐車場も広く、ここなら多くの県民が足を運ぶだろうという印象を受けました。
建物の中に入ると多目的ホールになっていて、様々なポスターが掲示されていました。新しい飼い主を待っている犬・猫の情報や譲渡会のお知らせの他に、青森県内の犬猫の殺処分頭数の推移や、猫の殺処分頭数が減らない理由なども書かれていて、読んで回るだけでも良い勉強になりました。
奥に進むと新しい飼い主を待っている猫たちがいる「ねこ室」があります。この部屋は保護猫たちと触れ合いながら、職員から猫との接し方について教わることができる場所になっており、当日も子ども達が交代で中に入って猫と遊んでいました。
その先にあるのが新しい飼い主を待っている保護犬と、ふれあい犬がいる「ふれあいルーム」です。青森県が収容した犬の中で譲渡に向いていると判断された犬は、この動物愛護センターで一定期間ふれあい犬として活動した後、譲渡されます。
センターの中庭には、大きなドッグランがあります。その広さもさる事ながら「すごい」と感じたのは、乗馬体験ができる馬の「あんず」がいたり(現在、足を痛めているので乗馬体験は休止中)、イベントでは毛刈り体験でも活躍している羊の「うめじろう」が動物愛護センターにいることでした。青森では畜産動物も身近な存在なんですね。
当日は、動物愛護センターの職員にお話を伺うことが出来ました。
印象的だったのは、このセンターが建設された10年前、青森県はどこでも自由に犬を放してしまう方も多かったそうですが、県が「犬を放しても良い場所」としてドッグランを作ったことで、他の場所では放してはいけないことを気付かせることに成功したという事例でした。
また、殺処分される犬・猫の数が減っている理由は、「動物愛護管理法が改正され、地方自治体が積極的に啓発を行うようになったことやマスコミなどを通じた情報の拡散、民間の保護団体の皆さんの努力の積み重ねが大きい。それを受けて一般の飼い主の適正飼養も進み、飼い主の責任意識も向上している」とお話くださいました。
まだまだ殺処分数の多い猫についてもセンターが出来た10年前と比較すると、「野良猫がいることや、子猫が産み落とされていることが当たり前では無くなってきた」と仰います。動物愛護センターが飼い主のいない犬猫を保護し、新しい飼い主を探す努力をしているという事実が広まるにつれて、『それなら母猫が一緒にいない子猫をセンターに連れて行こう』という意識が生まれました。それに伴って一時的に収容される頭数が増えてしまいましたが、一方で猫の譲渡数も増加しています。
その背景としては、以前は飼い主のいない猫が繁殖を繰り返していたので、簡単に子猫を拾うことができたが、近年では街中で子猫を見かける頻度が減ったこと。また、センターにいる保護猫が譲渡されて空いたスペースに、新しい猫を保護することができるという事実が周知されたことの2点を挙げられました。
飼い主のいない猫が減少し続ければ、望まれない繁殖も減っていくので、「猫の収容・殺処分についても悲観的になることはない」とも仰っていました。
「全国的に殺処分ゼロを目指す流れになっているが、受け皿となっている保護団体にしわ寄せがいくのは間違っている。行政としては収容された動物を全て譲渡することを目指すのではなく、動物がセンターに入って来ないようにすることが大切で、飼い主には終生責任を持っていただくことを徹底したい」とも付け加えられました。
職員の方は「飼い主が正しい知識を身につけて、最期まで飼育することが大切」「飼う前に知識があれば、様々な問題が生まれなくなる」と何度も繰り返しておられました。
私たちが犬や猫についてしっかり学ぶんだ上で、終生飼育に責任を持つという当たり前のことが、動物との矯正を実現するための近道なのかもしれないと思いました。
青森県動物愛護センター http://www.aomori-animal.jp