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ブログ~幸せなペットを増やすために~

2017.04.19  9:30

第2部 シェルター・メディシン・セミナー 「犬の気持ちを理解するための犬の行動学」/入交眞巳先生


 

続いて登壇したのは、獣医師で米国獣医行動学専門医でもある入交眞巳先生。行動学の見地から犬の行動を分析、犬の気持ちを理解した上で適切に対処する方法を教えていただきました。

 

■犬の行動やしつけに関する「通説」のほとんどは間違い

 

最初に入交先生から、犬の行動やしつけに関する「通説」についての疑問提起がありました。

すなわち、犬に問題行動を起こさせないために、

・犬になめられてはいけない

・犬が家族の上に立ってしまっているから、よくない

・犬のボスになれ

・犬より先に食べないこと

・犬と一緒に寝ないこと

・散歩中に引っぱられないこと

というような説は果たして本当なのだろうか?という問いかけです。

 

こういった通説の根底にあるのは、「犬の攻撃行動や問題行動は、犬が人間に優位性を持っているから起こる」「犬はオオカミの子孫だから、オオカミのように群れのリーダーには絶対服従する。だから人間が群れのリーダーになって犬を服従させなければならない」という考え方。テレビ出演の多い人気ドッグトレーナーにも、この考え方に基づいたトレーニングを実践している人がいます。

しかし、動物行動学的見地から見ると、これらの通説は全くの誤り。入交先生は、犬の問題行動は「主従関係の問題」、「人が上に立てない問題」で片づけられるほど単純なものではないと指摘しています。したがって、これまでタブーとされてきた次のような問題はこの考え方でNGではないということになります。

 

・犬が先に食べる

・犬がソファやベッドの上で寝る

・犬がドアから先に出る

・散歩で犬が先に歩く

・寝転んでいる人の上で遊ぶ

 

⇒ すべてOK! でも犬や家族に危険があっては困るので、引っ張ったりしてけがをしないようについて歩いたりマテをマナーとして教えたほうがいいですし、寝転んでいる人の上で遊んでもいいですが、オフと言ったら降りられる練習は必要ですし、ベッドの上でお子様と一緒に寝せて寝返りを打って無意識に犬を子供が蹴飛ばしたら攻撃されるのは当然ですから小さいお子さんやけがをしやすいご高齢の方とのベッドでの添い寝は気を付けるなどの常識は守っていただきたいと思います。

 

では、犬の問題行動は何によって引き起こされるのでしょうか?入交先生はその多くが「犬と人のコミュニケーションの問題によるもの」と解説しています。

特に多いのは、飼い主が犬の気持ちを読めずに攻撃を受けているケースだそうです。入交先生は「周りがそういうから…と、安易に信じるのではなく、医学的なエビデンスで物事を考えるのが大切です」と訴えました。

 


 

■問題行動への対処法

 

では実際に愛犬が問題行動を起こした場合、どのように対処すればよいのでしょうか。ケースごとに、入交先生のアドバイスを簡単に紹介します。一般論ですから個々のワンちゃんすべての問題行動が収まるわけではありません。

 

CASE 1 家族を噛んでしまう

⇒・攻撃行動に対して叱らないこと

・犬に無理に触る必要はないので、嫌がる部位は触らないこと。嫌がることをしないこと

・「お座り」をさせて、おやつをあげる練習をする。これを行うことで飼い主は嫌なことをしないし、「お座り」の号令後はおやつをもらえるので、不快感を覚えることなく、飼い主とのコミュニケーションをとる方法を学べる

 

CASE 2 耳、首輪、足先を触ると嫌がる

⇒・攻撃行動を叱らないこと

・耳や足を触られるのは怖くないことを、おやつを使って教える

・触ると怒るのであれば、触らない工夫をする

 

CASE 3 散歩中に他の犬を攻撃する

⇒・他の犬が近づいたときに、飼い主も一緒に慌てない

・「ジェントルリーダー」を用いて目線をコントロールする。これによって、痛みを伴わずに犬を誘導することができる

 

CASE 4 宅配便の人を攻撃する

⇒・ペットゲートやフェンスを設置して、犬が玄関に行けないようにする(安全対策のため)

・ドアチャイム(ピンポン)は怖くないことを教える。チャイムが鳴ったら、

ハウスに入ることを覚えさせる

 
  • 入交家のハナコの実例
最後に入交先生が紹介したのは、先生が自宅で引き取ったミニチュアシュナウザーのハナコのケースです。

<ハナコの攻撃行動>

ハナコは現在10歳のメス(避妊済み)ですが、生後4ヵ月でペットショップから家族のもとにきた当時から攻撃性が強く、家族を悩ませてきました。

ご家族の話によるとハナコは、

・足を触る、リードをつけると攻撃する

・膝にのせて撫でていると攻撃する

・おう吐物を片付けようとすると攻撃する

・散歩中は他の犬に対して吠える

・攻撃行動はかなり激しく、「キャン」と鳴いてから噛みつく

といった、問題行動を起こしていたそうです。

 

<ハナコの攻撃行動の原因分析と対策>

入交先生の分析によると、ハナコの攻撃行動の原因は次の2つ。

・不安、葛藤からの攻撃行動

・学習からの攻撃行動

 

大学で預かって治療を行うことになりましたが、大学でもハナコは、

・おやつを手にのせて与えたら、おやつを食べた後で手にかみつく

・ティッシュで目ヤニを拭こうとしたら激しく手にかみつく

などの問題行動を起こしました。また顔や体に触ると緊張し、噛みつく可能性もあったので、リードをつけたまま生活させることにしました。

 

<ハナコへの投薬>

また、治療のために抗うつ剤の投薬も行いました。最初は低用量で始めましたが、攻撃性がかなりシビアだったため、一時はかなり多めに増量、かなり効果を得たそうです。現在は入交家に引き取って環境が安定したため薬の量を漸減し、現在は飲ませていません。投薬はその子に会った薬があり、病気によっても種類が変わります。獣医師に必ず相談して適切な処方を受けてください。

 

<ハナコへの行動修正>

ハナコの攻撃行動を修正するために、入交先生は次のような対策を施しています。

・一貫性のある行動

⇒普段は構わず、号令があるときのみ接触する

・極力触らず、「おすわり」「ふせ」「まて」など、おやつを使ったトレーニングのみを実施する

・攻撃性が出やすいハンドリングは行わない

 

■まとめ

 

以上のケースの考察から、犬の攻撃行動の修正について入交先生は次のようにまとめました。

 

<犬の攻撃行動のまとめ>

・人に対する攻撃行動の多くは不安や葛藤、その後の学習から起こっていると考えてよい

⇒人の対応としては、叱らないこと、無理強いをしないことが大切

⇒怖いこと、不安に感じていることは何かをよく観察する。または、どんなときに攻撃的になるかを見極める。その上で、その刺激に慣れさせるか、その刺激を排除すること

・家族の想いやゴールを確認する

⇒無理なゴール設定に折り合いをつける。家族の想いは受け止め、理解しあって歩み寄ること

 

入交先生の1日目の講義はこれで終了。2日目に行われた「猫の行動学」についての報告は、後日、お届けします。

 

 

第1部:「シェルターでの感染症管理」について/田中亜紀先生

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