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ブログ~幸せなペットを増やすために~

2015.11.25  9:03

日本の動物福祉最前線インタビュー ドイツ連邦共和国獣医師  アルシャー京子先生

京子アルシャーさん
 

今回お話を伺ったのは、ドイツ在住の獣医師で、日独両国の動物福祉事情に詳しいアルシャー京子先生です。日本で「動物福祉先進国」と言われることが多いドイツの現状、そして日本との違いについて教えていただきました。

 

―アルシャー先生は1998年からドイツ在住と伺いました。そもそも、ドイツに渡ったきっかけは何だったのですか?

アルシャー京子先生(以下、アルシャー先生):きっかけはドイツの大学への留学です。日本の大学を卒業後、動物の勉強がしたくて再び大学で学ぼうとしたのですが、日本の大学は経済的な理由などで断念。友人に「ドイツなら国立大学の学費がほぼゼロ」と聞いて、すぐにドイツ行きを決めました。当時は今ほどインターネットが発達していなかったこともあって、事前にドイツの動物福祉事情を知った上でドイツを選んだわけではなかったのです。でもその分、ドイツの動物福祉事情がとても新鮮に感じられ、強く興味を持つようになりました。ドイツでは獣医師免許を取得、臨床も経験しましたが、今は動物福祉に関する活動や調査に専念しています。

 

―近年、日本では「ドイツは動物福祉先進国で、殺処分は行われていない」と言われる一方で、「ドイツでも殺処分は多数行われている」という内容の発言をする方もいます。実際のところはどうなのでしょうか。

アルシャー先生:情報と言うのは、1部分だけをクローズアップしてしまうと、誤解を生みやすいものですよね。殺処分に関しても、いろいろな角度から情報を集めて、総合的に判断する必要があると思います。

そもそも日本の保健所における殺処分と、ドイツのティアハイムにおける殺処分とは意味合いが違います。日本では残念なことに、決められた日数(保護の期限)が過ぎてしまうと機械的に殺処分されてしまうケースが多いですが、ドイツでは保護されてからの日数を理由に殺処分が行われることはありません。たとえば、トレーニングをしても打つ手がないほど攻撃性が強い犬を安楽死させることはあります。しかし、その場合もティアハイムの責任者や動物保護委員など複数の専門家が犬の状況を見極め、話し合い、合意をした上でなければ安楽死させることは決してありません。保護されてから何年間もティアハイムで過ごしている犬もいるんですよ。だからティアハイムで安楽死させられる動物(犬以外の動物も含む)はすごく少なくて、ベルリンでは1年間に収容される動物1万5000頭のうち、安楽死はわずか10頭ほどだそうです。

これにくらべると、日本は殺処分するかどうかを見極めるために時間も手間もかけていませんよね。日本の保健所における殺処分とドイツのティアハイムにおける安楽死を同じ土俵で語るのはナンセンスだと思います。

 

―ドイツでは狩猟が盛んですよね。動物福祉先進国で狩猟を楽しむ人が多いというのに違和感を覚える人も多いと思うのですが…?

アルシャー先生:そもそも日本とドイツでは狩猟に関する考え方が根本的に異なります。ドイツでは狩猟は単なる趣味やスポーツではなく、自然保護活動の一環として行われています。というのも、生態系の中でシカやウサギなどの動物が増え過ぎることは決して良いことではないからです。

そこでドイツでは林野官が地域ごとに生息動物の数を把握しておき、年ごとに決まった数の動物を猟で処分することによって、動物の数を適正にコントロールしているのです。

 

―日本では猟師が猟犬を遺棄するケースが多く問題になっています。

アルシャー先生:遺棄するというよりも、猟犬が猟の最中に逃げて戻ってこないんですよね。この問題の根本は、日本では猟犬=獰猛な犬という思い込みがあることだと思います。犬を訓練するのではなく、ただ単にどう猛さを利用して猟をすればいいという考え方を持つ猟師さんが多いのです。当然、猟師さんと猟犬の間に信頼関係や絆は生まれません。だから山や森で逃げてしまった犬が戻ってこないのです。ドイツでは大変な時間と労力をかけて猟犬を訓練するのが常識ですから、これも先ほどの殺処分の問題と同様、日独の事情の違いを無視して、同じように議論するのは適切ではないと思います。

なお、ドイツで狩猟に犬を同伴するのにはれっきとした理由があります。それは銃で撃たれ、傷を負って逃げてしまった動物を追わせるためです。つまり、動物たちが苦しむ時間を、少しでも短くしてあげようという配慮なんですよ。

もちろん一部には、狩猟中に様々な事情で犬や猫を銃で撃ってしまうケースも報告されています。そこでドイツではここ数年、狩猟法の見直しが進んでいて、ケルンのあるノルトライン=ヴェストファーレン州では、今年、猫の銃殺が禁止されました。犬もよほどの事情がない限り撃ってはならないことになっており、近いうちに禁止される見込みで議論が進んでいます。ドイツの優れている点は、このように国民の議論を組み入れて柔軟に法改正を行うなど、新しいシステムの構築が上手なところですね。

 

―日本でも殺処分ゼロを目指して、官民問わず様々な活動が展開されています。近年の日本の動物福祉を取り巻く状況について、どう思われますか?

アルシャー先生:以前に比べて、殺処分の現状が広く知られるようになり、動物福祉関係のイベントや講演会も増えてきたことはとても素晴らしいことだと思います。ただ「殺処分ゼロ」というスローガンが独り歩きしてしまっていることに、若干の違和感を覚えます。もちろん、殺処分がゼロになるのは理想ですが、現実問題、ゼロにすることは極めて困難です。先ほどお話したとおり、ティアハイムでも人間と共生できないほど凶暴な犬などについては、安楽死の判断が下されます。しかし「殺処分ゼロ」という数字の目標にとらわれてしまう人は、それすらも良しとしません。

でも、「終生飼養」の名の下で、自由を奪われ、狭い場所に閉じ込められて生きるのは、その犬にとって果たして幸せなのでしょうか?私はそうは思いません。日本でも「かわいそうだから」という感情論ではなく、もっと深い考察に基づいて、動物福祉が議論されるようになることを期待します。

 

―日本の動物愛護団体の中には、終生飼養ができない可能性が高いからという理由で、お年寄りに犬を譲渡しない団体もあります。

アルシャー先生:残念なことですね。別にお年寄りでなくとも、やむを得ず終生飼養ができなくなるケースはたくさんあると思います。終生飼養=悪と決めつけず、終生飼養ができなくなったときのための受け皿をきちんと整備する方が建設的ですし、結局は犬の幸せにもつながると思いますね。

 

―なるほど。終生飼養できなくなったときのための受け皿をつくることは、たしかに必要ですね。最後に、日本の動物福祉向上のためのアドバイスをお願いします。

アルシャー先生:まずは子どものころから、動物の生態についてある程度知識を持たせることが必要なのではないでしょうか。動物の生態を知らないと、何が動物にとって幸せなことなのかを正しく理解できないのではないかと思うからです。日本では犬を触ったことのない小学生が増えていると言われていますが、ドイツでは犬はもちろん馬もとても身近な存在ですし、小学校でも犬や牛についてかなり詳しく学ぶ機会が設けられています。

それと、見逃されてしまいがちなことですが、本来動物福祉とはセミナーで学んだり国の施策に基づくような大げさなことではなくて、1人ひとりが身近な動物を大切にすることの積み重ねだと思うのです。劣悪な環境で飼われている近所の犬を助けたいと思う気持ち、行き場のない犬を引き取ってあげたいと思う気持ち、そういう小さな気持ちを一人ひとりがアクションに変えていくことが増えれば、日本の現状も益々良い方向に変わっていくのではないでしょうか。

 

―アルシャー京子先生、ありがとうございました!

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