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ブログ~幸せなペットを増やすために~

2015.10.15  9:27

日本の動物福祉最前線インタビュー 新潟県動物愛護センター 獣医師 遠山 潤 先生 (前編)

今回は2012年に新潟県長岡市にオープンして以来、保護犬・猫の譲渡活動に熱心に取り組んでいる、新潟県動物愛護センターを訪問。獣医師の遠山潤先生に、新潟県の動物福祉の現状と課題を伺いました。

遠山潤先生
 

SPP:新潟県動物愛護センター開設の経緯を教えてください。

遠山:新潟県ではもともと県内5カ所に動物保護管理センターがあり、センターごとに動物の保護・管理を行ってきました。それぞれ保護された犬や猫の譲渡活動にも取り組んでいたのですが、殺処分数が思うように減らせなかったのが実情です。そこで、殺処分ゼロを目指し、県民への普及啓発・動物愛護の拠点施設として県内3カ所の管理センターを統合、新たに設立したのが新潟県動物愛護センターです。

SPP:センターでは具体的にどのような活動をしているのですか?

遠山:保護犬や猫の譲渡を促進して殺処分を減らすために、また動物福祉の啓発活動のために、さまざまな活動を展開しています。譲渡事業はもちろん、犬の飼い方しつけ方教室、猫の飼い方お悩み相談、うさぎやモルモット、猫とのふれあい体験などを開催し、より多くの県民の皆さんにセンターまで足を運んでいただく工夫をしています。雪で来場者の減る冬場に始めた「猫とのふれあいタイム」が好評でした。その甲斐あって、決して交通の便はよくない立地であるにもかかわらず、全県からたくさんの方に来ていただいています。

SPP:データを拝見すると、センター開設の翌年は犬や猫の収容数が逆に増えているようですが、これは何故でしょうか?

遠山:たしかに愛護センター開設直前の2011年度は、3カ所の管理センターの合計で犬177頭、猫972頭だった収容数が、開設した2012年には犬234頭、猫1,308頭に増えました。私の推測ですが、これはセンターの名称が「管理センター」から「愛護センター」に変わったことが影響していると思います。「管理」というと、殺処分の印象が強くて、電話相談や動物の持ち込みを躊躇する人が多かったと思うのですが、「愛護」には残酷なイメージがありませんから、気軽に電話や持ち込みをする方が増えたのではないか…と。もちろん安易な気持ちで犬や猫を引き取ってほしいという方には、センターの本来の趣旨を説明し、ご理解をいただくように努めました。しかしその一方で「捨て猫に餌をやる人がいて困っている」「多頭飼いをして近所に迷惑をかけている人がいる」など、これまでセンターに届きにくかった県民の皆さんの生の声が入ってくるようになり、それに対応したところ、一時的に収容数が増える結果になってしまいました。ただし、それは一時的な増加で、3年目からは減少に転じています。

SPP:センター開設前は犬53%、猫30%だった譲渡率は、開設後、順調に伸び続け、3年度目の平成26年度には犬87%、猫43%に伸びています。何か特別な取り組みをされたのでしょうか?

遠山:新たに何かを始めたというより、管理センター時代以来の地道な取り組みが実を結んだ結果だと思います。たとえば、地域のスーパーやコンビニにチラシやポスターを貼らせてもらったり、地元のテレビに出演させてもらったり…譲渡に繋がることはなんでもやってみるという姿勢は、管理センター時代から続けているものです。

センター内の活動では、来場者の皆さんに動物と触れ合う楽しさ・素晴らしさを実感してもらえるよう、工夫しています。例えば、大人の猫(成猫)は譲渡率が低いのですが、「猫とのふれあいタイム」など実際に猫たちと触れ合える機会を作ると、引き取りたいという方が出てきます。そうした小さな工夫の積み重ねが、譲渡率向上に繋がっているのだと思います。もちろん、3年間試行錯誤を繰り返しながらに積み上げていった飼育ノウハウの向上もあると思います。

SPP:地元の動物愛護団体への譲渡も行っていますか?

遠山:お願いをする場合もありますが少ないですね。というのも新潟県には、保健所やセンターから犬や猫を多数引き取って飼育できるような施設を持った大規模な動物愛護団体はありません。ですから、当センターの譲渡はほとんどが個人への譲渡です。

少しでも譲渡が受けやすいよう、当センターでは譲渡前講習会の義務づけもありませんし、土日祝日も開館し随時譲渡ができる体制になっており、希望した当日に連れ帰っていただくことも可能です。統合前の管理センターの時から変わらないのですが、譲渡を希望される方には家庭環境を聞き取り、書類審査をした上で職員が1頭ずつ丁寧に、20~30分かけて飼育上の注意点などを説明して引き渡しをしています。先ほどの繰り返しになりますが、愛護センターを開設したから急に譲渡率が上がったわけではなく、管理センター時代からの地道な取り組みや活動の基盤があったからこそ、今があるのです。

また前回このインタビューシリーズに登場された田中亜紀先生のアドバイスを受けて「シェルター・メディシン」の考え方を積極的に取り入れ、シェルター内の犬や猫たちの身体的・精神的健康状態の改善に努めたことも、結果として譲渡率の向上につながったといえると思います。

SPP:シェルター・メディシンを知ったきっかけは何だったのですか?

遠山:私は2008年に新発田市にある下越動物保護管理センターに赴任したのですが、前年の猫の譲渡数は35頭で処分率は95%という状況でした。そこで殺処分を減らすためには猫の譲渡数向上が必要と思い、猫を譲渡する仕組み作りを始めました。センターで恒常的に猫を飼育し、譲渡可能な猫はホームページに写真やプロフィールを掲載し、入れ替わりの都度更新するようにしました。その他様々な取り組みの結果、猫の譲渡数は5倍以上に伸び処分率も低下しました。

2010年に中越動物保護管理センターに転勤になり、同じように猫の譲渡事業を続けていたのですが、ケージを並べて多数の猫を過密な環境で飼育しているのが実態でした。猫たちの飼育方法、健康管理については全くの手探り状態であり、猫カゼが蔓延したり、下痢が治らなかったり、正直苦労の連続でした。そのような時、獣医師会雑誌に掲載された「シェルターメディシン~より良い譲渡に向けて」というセミナーの告知が目に入ったのです。何かヒントが得られればとの思いで聞きに行きました。

シェルターでの健康管理について体系的に勉強する機会は初めて、たくさんの新しい知識、アメリカでの実践例などとても参考になりました。設備のないセンターでも、できることからやれば必ず良い結果につながるとの田中先生の言葉に大いに励まされましたね。

 

 

後編につづく

 

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