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2015.07.29  8:49

日本の動物福祉 最前線 インタビュー 第3回 後編 山口千津子先生

山口先生

第3回 公益財団法人日本動物福祉協会 特別顧問 山口千津子先生 (後編)


 

SPP:動物愛護活動において行政に求められる役割とは、どのようなことでしょうか?

山口:行政は法的な権限を持っているのですから、必要に応じてしっかりその権限を行使してほしいですね。例えば、動物取扱業の登録には一定の要件を充たさなくてはならないはずですが、それが守られていないケースが多々あります。本来、動物取扱業者というのは動物を扱うプロフェッショナルであって、人と動物がともに幸せに暮らすお手伝いをするために存在しているはず。でも実際には病気の犬を売りつけたり、繁殖用の犬を使い捨てにしたりという悪質な業者がはびこっています。そういった悪質な業者を行政はしっかりと取締り、改善命令や登録の取り消しなど、法的な措置を速やかに講じるべきです。

 

SPP:今回の法改正では、新たに「第2種動物取扱業」が設けられ、無償で動物を譲渡しているボランティア団体や個人も、第2種動物取扱業者として届出し、業者番号を取得することが必要になりました。この背景にはどのようなことがあったのでしょうか。

山口:動物愛護団体は、もともとは善意で犬や猫を保護している方々ですから、その施設で虐待なんて起こりえないように思われがちです。でも残念なことに実際には、何日も餌を与えられていなかったり、散歩に連れていってもらえなかったり、狭い部屋にギュウギュウに詰め込まれていたり、病気のまま放置されていたり…、という劣悪な環境で「保護」されている犬や猫がたくさんいるのです。第三者から見ると虐待にしか見えない状況であっても、当事者は「かわいそうな動物を保護している」という意識を持っているため、なかなか外部からの忠告を受け入れてくれません。例の日本人ならではの「生きていさえすればいい」という感覚で保護しているんですよね。これを放置したがために、病気や飢えで動物が死んでしまったり、数が増えすぎて保護現場が崩壊したり…という悲劇がこれまで何度も繰り返されてきました。

ですから、前回の動物愛護管理法改正で保護団体も登録が義務付けられたことは、非常に喜ばしいことです。適切な飼育をしていない団体に行政が介入し、条例に従って必要な指導や改善を行うことで、悲劇を未然に防ぐことができるようになったからです。従来の日本の動物愛護管理行政は「後片付け行政」になりがちでしたが、今後は「予防行政」に転換していかねばなりません。その意味でもこの法改正は私たち団体だけでなく、日本の動物愛護全体にとって大きな前進になったと思います。

 

SPP:殺処分「ゼロ」を目指して活動している団体も多いですが、山口先生は「殺処分ゼロ」という目標について、どのように考えていますか?

山口:理念としては素晴らしいと思います。ただ、現実的には非常に難しいと思います。たとえば先年、土佐犬が通りがかりの女性を襲って殺してしまうという恐ろしい事件が起き、飼い主には6,300万円の賠償命令が下されました。この土佐犬を引き取って誰かに譲渡することはできるでしょうか?私には恐ろしくてできません。もちろん病気を治療したり、トレーニングを施したりすれば、人と一緒に幸せに暮らせるようになる犬なら、みんなで力を合わせて守ってあげなければなりません。でも残念ながらそうでない場合、「殺処分ゼロ」にこだわりすぎると、さらなる悲劇を生む可能性も…。とても難しいことですが、そのあたりの線引きはしっかりしておいた方がいいと思います。

もちろん最近では、行政も殺処分数を減らすために様々な取り組みをしています。しかし、上に挙げた土佐犬のような問題行動のある犬、病気の犬、高齢の犬には新しい飼い主が見つからず、やむを得ず殺処分されます。これについて猛烈な抗議や批判をする保護団体もありますよね。しかし、行き過ぎた抗議や批判を避けるために、一部の自治体では動物の受け入れそのものを拒否するところも出てきました。受け入れられなかった動物の行く末はどうなっているのか。捨てられている可能性もあるのです。私たちがすべきなのは行政を批判することではなく、引き取り手のない病気や高齢の犬を引き取り、終生飼育できる人材を育成することなのではないでしょうか。

 

SPP:メリアル・ジャパンとゼノアックでは、セーブペットプロジェクトを通じて犬や猫の殺処分数低減を目指す活動をサポートしています。殺処分低減にはどんなアクションが有効でしょうか?山口先生のご意見を聞かせてください。

山口:やはり、動物福祉の徹底に尽きると思います。たとえば先ほどの土佐犬は人間が闘犬という実に残酷な遊びを行うために、品種改良を重ねた結果、現在のような攻撃的な性質に作り上げてしまった犬種です。私も何度か闘犬を観ましたが、犬たちの脚には「すわりだこ」がたくさんできていました。試合がない時には、狭い場所で繋ぎっぱなしにしているのでしょう。そしてストレスを溜めさせているのです。こんなことが許されているのは先進国では今では日本くらいのもの。動物福祉に反していると言わざるをえません。闘犬がなければ、人を襲って殺処分される凶暴な土佐犬も生まれなかったと思うのです。これはほんの一例ですが、動物福祉の精神にのっとって、適切な環境で犬を飼育すれば、通常は殺処分しなくてはならないような事態には陥らないはず。それと、一人ひとりの飼い主が自分の「飼い主責任」を自覚することも大切です。ペットショップで「かわいい~!」と言って犬を衝動買いした挙句、「やはり無理だった」と言って保健所に犬を持ち込む人もいると聞きます。飼い主責任とはどういうことかを知る機会がもっと多くあれば、無責任な飼い方をする人を減らすことができ、ひいては殺処分数も減らせることができるのではないでしょうか。発言力のある企業の皆さんには、ぜひ、動物福祉の意味を発信し、幅広い世代に飼い主責任について啓発していただくよう、お願いしたいと思います。

 

SPP:今後日本が動物福祉の先進国となるために必要なことは何だと思われますか?

山口:まずは、法律を改正して、英国の動物愛護法のように、動物虐待を未然に防ぐことができる内容にすべきだと思います。具体的には「虐待」の定義をもう少し詳細に書き込むこと、飼育基準でそれぞれの動物にとっての適切な環境を明確に数値や言葉で示すことが望まれます。

もう1つは、教育の充実です。大人への教育と共に小さい子どものころから「動物福祉教育・いのちの教育」が重要です。ペットとして飼われている動物だけでなく。食べられる動物、実験される動物まで含めてすべての動物の命について考える教育を充実させるべきです。特別に時間を設けることも良いですが、国語、算数、理科、社会、すべての教科の中に命の大切さを学ぶ要素を織り込んでいくこともできるのです。そういった教育を地道に続け、法律を整えていくことによって、日本にも動物福祉の精神がしっかり根付いていくものと期待しています。

 

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