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ブログ~幸せなペットを増やすために~

2017.02.22  9:11

動物福祉最前線インタビュー 山本 康之所長・仮谷園 弘志係長(北九州市動物愛護センター)

かつては殺処分数ワーストと言われた福岡県のなかで、北九州市は自治体の職員とボランティアの皆さんの努力で、動物愛護の気風が高まり着実に処分頭数も減少し続けています。北九州市動物愛護センター「レインボーポート(人と動物をつなぐ架け橋)」の開設にも尽力された所長の山本 康之さんと係長の仮谷園 弘志さんに、これまでの取り組みや今後の展望についてお話を伺いました。

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所長の山本 康之さん

 

SPP:北九州市では平成26年に「致死処分ゼロ社会宣言」が行われたと聞いています。かつては殺処分を行っていたと思いますが、ゼロに転換されたのはどういった背景があったのでしょうか?

 

仮屋園:もともと福岡県は全国の自治体のなかでも動物愛護に関してはワーストだったんですよ。そこから脱却しようと県内のセンター会議でも毎回話し合っていました。

まず福岡市がゼロ宣言をして、その1年後に北九州市もゼロ宣言をして、その翌年市長選挙でも現市長が5年間でゼロをめざすという公約をあげて、この平成27年から犬猫致死処分ゼロ対策事業が始まりました。

市長公約ですから、きちんと予算がつきました。と言っても要求した半分しかついてませんけれど(苦笑)。予算が確保出来たことで、致死処分を減少させるための事業を行うことができて、加速度的に減っているところです。

 

SPP:現在収容されている犬猫の頭数、引き取り、捕獲など、過去と比較して変化したことは何でしょうか?

 

仮屋園:動物愛護センターでは平成24年から殺処分ゼロを目指して、平成27年で殺処分数を平成22年の半分にしようという「動物との共生推進事業」を立ち上げました。

平成22年の処分数は1,891頭で、平成25年にはもう半減させて、さらに27年は117頭と、どんどん減ってきています。もらわれやすい子犬については、27年からずっと処分数ゼロです。

山本:譲渡については、平成23年までは一般譲渡しか行っていませんでしたが、24年からは登録された団体さんにも譲渡するようにしました。

 

SPP:犬の処分数は全国的に減少していますが、猫はなかなか減りません。その原因は何だとお考えでしょうか? 北九州市で成功した取り組み等あれば教えてください。

 

山本:特にミルクボランティアを始めたことの効果は大きかったですね。

これは離乳が終わる生後2ヶ月まで預かっていただき、離乳したら戻していただいてセンターが譲渡先を探す、という一時預かり制度です。ミルクボランティアさんには、キャリーケースや動物用ヒーター、ペットシーツ、ミルクなど、必要なものをセットにして子猫と一緒にお渡ししています。

それと、提携している動物病院の連絡先が書かれたミルクボランティア預かり書を渡して、もし具合が悪くなってもこの紙を持っていけば、無料で診察が受けられるようになっています。治療費等はあとから市が動物病院に支払います。

平成27年からは北九州市獣医師会の夜間病院に協力してもらっているので、夜間でも気兼ねなく診察してもらえるようになりました。

 

SPP:ミルクボランティアにはどういう方が参加しておられるのですか?幼い猫を預かるということは大変責任が重いかと思うのですが。

 

山本:当初は市の動物愛護推進員の方のみだったんですが、平成27年の12月に初めて公募をしました。応募者には久しぶりに子猫にミルクをやるような方もおられるので、実際に子猫を使ってミルクのやり方やオシッコとかウンチのさせ方などの講習会も開きました。

今までであれば、目の見えていない子猫はすぐ処分機行きだったんですが、今は目の開いていない子猫でも引き受けてくれる団体さんもいますから、子猫が入ってきたときは必ずミルクボランティアに渡すか、愛護団体さんにそのまま団体譲渡というかたちでやっています。

ですから子猫については譲渡数が、平成23年から24年には倍以上になりました。このミルクボランティアと、団体譲渡。このふたつが譲渡数を増やす大きな柱です。

 

仮屋園:初年度は亡くなる子猫も多かったのですが、少しずつ軌道に乗って、今ではミルクボランティアさんから返ってくる猫の割合も増えました。

それともうひとつ「地域猫」では、飼い主のいない猫に困っているところの解決策として、センターでメス猫について不妊手術をして元の場所に戻して、あとは町内の方々がエサやりと糞尿の片付けなどの管理をしていく活動をしています。

今のところ、10地区の登録がありますが、北九州市ではあくまでも町内単位、自治会単位の取り組みを支援しているので、申請は町内会長さんや自治会長さんから受付ける形にしています。この取り組みでやはり猫の頭数は減ってきていますね。それと苦情が出なくなってきているので、効果があると思います。

 

SPP:今後、センターとして取り組もうと計画されていることや、山本さんが考える行政シェルターのあるべき姿についてお聞かせください。

 

山本:海外のNo Killシェルターを引き合いに出して、日本の行政にもそれを求める方もいらっしゃいますが、私はその話があったらきっぱり断ります。それは行政がやることじゃないからです。

以前ミュンヘンへ視察に行ったのですが、市役所に問い合わせところ、自治体は法律を所管していますがシェルターはありませんと言われました。向こうはシェルターの運営母体が行政ではなく、民間団体なんです。

我々の考えは「極力処分しないけど、処分はゼロではない」。

たとえば平成28年の4月から半年以上経って、殺処分したのは犬が2頭と猫18頭、全部で20頭です。処分数が減ってきたので、平成27年からは炭酸ガスを使わず、麻酔注射に変えました。

獣医師の意見を聞いて、最終的に処分するかしないかは私が決めるのですが、処分した1頭ずつにちゃんとした理由があります。

たとえば犬でいえば年寄りでフィラリア症がひどくて寝たきりになっているとか、交通事故に遭って頭が陥没してあごや腰が折れている猫とか。正直なところ、処分頭数20頭をさらに減らそうと思ったらもっと減らせます。死ぬまで治療をすればいいんです。

だけど、それは本当に愛護でしょうか?そういう犬や猫の処分を最終的に誰がやるかといったら、それを引き受けるのが行政の仕事です。それはやらなくてはいけないことなんです。

 

SPP:犬や猫の殺処分をゼロにしたいと活動する人や団体が増えていますが、それに対して感じておられることなどがあればお聞かせください。

 

仮屋園:北九州市動物愛護推進協議会というボランティアさんの集まりがあって、そこで月1回以上の会議を行い、ボランティアさんからの要望を聞いていますが、なかには殺処分はゼロにするべきという愛護団体さんや個人の方もいらっしゃいます。

北九州市の考えは「致死処分ゼロ」ではなくて、「致死処分ゼロ社会」、致死処分をなくす社会にしましょうということなんですね。

先ほど山本所長が言った通り、なかには致死処分にせざるを得ない犬や猫がいるというのが現実なんです。やはり正しく飼ってくれる人、正しい動物愛護を理解してくれる人を増やすことが、これは長い目で見て致死処分ゼロになる社会だと思います。

捨てないということ、増やさないということが、重要なのではないでしょうか。

 

山本:みなさん最初に気になさる数字は処分頭数ですけど、処分頭数ははっきり言って1つのバロメータに過ぎません。

実際、処分頭数が減っていますが、犬猫に関する苦情はそれほど減っていないんです。苦情があるということは結局、動物愛護が実現されていないということでしょう。

一番大事なのは致死処分ゼロではなくて、センターへの搬入ゼロを目指さなくてはいけないんです。

搬入がゼロになれば、愛護センターは要らないですよ。

先進諸国を見ると、先ほど話したように行政がこんな施設を持っている国はないでしょう?

まだまだ日本は過渡期だと思います。飼い主の方々の認識がもっと向上して、行政がこういったことをやらなくて済むようになれば良いなと思います。苦情が減って、センターにも犬や猫が入ってこなくなって、「もうそろそろ解散しようか?」と話し合うのが、理想ですね。

 

SPP:本当におふたりを始めとする北九州市動物愛護センターの皆さんのお取り組みには頭が下がる思いです。今日はお忙しい所、貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

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係長の仮谷園 弘志さん

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