セーブペットプロジェクト、愛情の証キャンペーンに関する 活動報告や情報発信をしていきます

ブログ~幸せなペットを増やすために~

2016.10.05  9:25

日本の動物福祉最前線インタビュー 打越綾子先生(成城大学法学部教授)その1

打越先生1回目
 

環境省の動物愛護部会の中で、最も積極的に発言しておられる委員のお1人である打越綾子先生は、実は動物がご専門ではありません。

この度のインタビューでは、ご専門である政治学と地方自治論というエリアからなぜ動物愛護に関心を持つようになったのか、また、ご著書「日本の動物政策」に込めたお考え、そして注目が集まる次期動物愛護管理法の改正のポイントなどなど、盛りだくさんのお話を伺うことができました。

学者として今の日本の動物福祉に切り込むするどい視点を、動物への深い愛情を持つ、いちペットオーナーとしてのお話も交えて4回に渡りご紹介します。

 

SPP:政治学と地方自治論がご専門の打越先生が動物の問題に関心を持たれるようになったきっかけは何だったのでしょうか?

 

打越先生(以下「打越」):2001年夏、30歳の誕生日を迎えたときに、家の裏庭に白っぽい子猫が現れました。学生時代は動物が苦手だったはずの私が、何か不思議な運命を感じたのです。それで、当初はものすごく警戒心を持っていた野良の子猫であったのを、2ヶ月かけて次第に距離を縮めていきました。仲良くなるにつれて、毎晩、車にはねられないか、大きな猫に襲われないかとハラハラするようになりました。そこで、思い切って保護し、我が家の猫として育てることにしたのです。

猫を飼い始めて、本を読んだり、インターネットの情報を調べるようになって、動物をめぐる様々な社会問題に気が付くようになりました。外にいる猫たちの感染症や交通事故のリスクも可哀想だと思いましたし、当時は自治体における犬や猫の殺処分数も70万頭を超えていましたから、なんと哀れなことだと思いました。また、残酷な動物虐待事件の情報が入ってきて、可哀想でたまらず、涙を流して泣き続けたこともありました。

そこで、まずは、各種の動物愛護団体の主張を勉強しました。また、その頃に地方政治行政の研究ゼミで神奈川県庁に行った際、案内してくださった職員さんが丹沢山系のシカやサル問題について話をして下さって、愛玩動物に限らず、多様な位置づけの動物に関する公共政策の研究の必要性を感じました。

とはいえ、まずは愛玩動物をめぐる政策の研究からスタートしようと考え、動物愛護管理法に関わるシンポジウムや、動愛法改正のための検討委員会(2004年春からスタート)の傍聴に行くようになりました。

その際に、検討委員会で主として発言なさる先生方や民間団体の関係者が、獣医学系の知識をベースに議論していることに気が付きました。しかし、動物の習性や飼育方法に詳しくても、人間同士の行動を変えるためには、法律や政治行政の構造について理解している必要があります。そうでなければ制度を変えられないし、制度の充実した運用も見込めません。

また、海外の法制度に詳しくても、日本の自治体の行政の現場の課題を度外視した議論がなされていました。ならば、もともと地方自治体の政治行政の構造やプロセスの研究を専門としている自分が、敢えて本気で勉強して論文を書いてみる意味があると感じました。

そこで、実際に当時から圧倒的に先進的であった東京都の獣医師職員さんに、現場の課題や職員の人事問題、予算編成上の課題などを、行政学の見地から取材してみました。私としては意気込みは十分でしたが、しかし、圧倒的に動物に関する知識が足りないのも露呈。それでも、「こうした切り口で議論してくれる人が出てきたとは興味深い」と激励をいただきました。

さらに、各地の愛護センターや保健所の見学に行き、また全国の自治体の実情調査をするうちに、動物をめぐる公共政策を、もっともっと本気で研究しようと思うようになりました。

 

SPP:打越先生はペットの問題だけでなく、野生動物をも研究の対象にしておられますね。

 

打越:いわゆる愛玩動物をめぐる構造を一通り理解した後は、農村部で課題になっている野生動物問題に関心を移していきました。

野生動物問題の研究は、野生動物が人里に出没して人間と経済的・社会的トラブルになるケースもあれば、人間の開発行為や生態系の乱れによって絶滅の危機に瀕しているケースもあります。これらを解決するためには、農村地域における地域社会の合意形成とともに、国民的な議論、都市と農村の価値観のすり合わせが必要であるということから、社会科学の研究者として全国各地を取材するようになりました。

知床のヒグマ、対馬の絶滅危惧種ツシマヤマネコ、軽井沢のクマやサルによるトラブルなど、現場に行って、研究者の調査などに同行取材するのは興味深いことでした。

また、ちょうどその頃我が家の猫のために長野県軽井沢町の別荘に移住したので、地域の多様な人々と一緒に野生動物問題に関する任意団体を立ち上げ、それから5年間、本業以上に様々な地域活動に没頭する日々が始まりました。軽井沢野生動物問題研究会クロスといいます。現在は、メンバーがみんな出世してしまったので活動を縮小していますが、もちろん今でも地域住民の方々とは仲良くしています。

野生動物を被害者にも加害者にもさせないための森林整備活動など、毎年大規模に開催しています。

 

さらにクロスの活動と同時並行で、2012年の動物愛護管理法改正にむけた小委員会の一員にとお声が掛かりました(2010年6月から)。

かつては傍聴席に座っていた私でしたが、委員になれたことが嬉しくて、全25回の小委員会全てに参加し、おそらく最も数多く発言をしたのではないかと思います。動物愛護一辺倒でもなく、もちろん業界保護派でもなく、公共政策を中立的に見る行政学・政策学の見地を貫くことで、時に期待され、時に批判も受けました。

でも、理想と現実のすり合わせの中で少しずつ優れた政策・制度を作る必要があるという考え方を受け入れてもらえたのか、動物園動物、実験動物、畜産動物等の位置づけについて議論する場にもお誘いが掛かるようになりました。

いずれの場面でも、動物福祉を最優先に主張するのではなく、それぞれの動物が置かれている政策的背景、逆に言えば、人間が動物を利用している手法やスタイル、経済的・社会的経緯等も踏まえて、全体構造を整理した上で発言しています。

生きている動物たちに少しでも快適な環境を作り、また人間の側も傷つかないために、一つずつ何を改善すべきか、立場の異なる人々の主張全てに耳を傾けながら、地道に丁寧に議論を組み立てるようにしています。そうしてたどり着いた議論が「仕切られた動物観」(仕切られた関心+仕切られた専門知)で、その仕切りを社会の前提として認めながら、時に他の位置づけの動物に配慮することで、感情的になりがちな議論に冷静さを取り戻すべきだと訴えています。

 

 

日本の動物福祉最前線インタビュー 打越綾子先生(成城大学法学部教授)その1

日本の動物福祉最前線インタビュー 打越綾子先生(成城大学法学部教授)その2

日本の動物福祉最前線インタビュー 打越綾子先生(成城大学法学部教授)その3

日本の動物福祉最前線インタビュー 打越綾子先生(成城大学法学部教授)その4

 

犬の寄生虫ケア

  • 犬のオールインワンのお薬について
  • ネクスガードについて
  • フロントラインについて
  • 犬の寄生虫について
  • ネクスガード フロントライン比較表
  • CMギャラリー

猫の寄生虫ケア

  • フロントラインについて
  • 猫の寄生虫について
  • 投薬日お知らせサービス
  • ペットと一緒にstay home
  • TVCM

    ネクスガードの広告ギャラリーをCheck!

  • おいしく食べる動画おいしく食べる動画

    ノミ・マダニ駆除薬ネクスガードをおいしく楽しく食べる犬の動画集です!

  • ノミダニのお薬比較チェック
  • マダニ寄生カルテ集

    マダニが寄生した犬・猫の様々な写真付きのカルテ集。
    愛犬・愛猫を守るために知っておきましょう。

  • 犬用デンタルガム(塩酸デルモピノール配合)オーラベット犬用デンタルガム(塩酸デルモピノール配合)オーラベット
  • 災害からペットを守るために、今、私たちができること 3.11を忘れない~災害からペットを守るために、今、私たちができること 3.11を忘れない~
  • お問い合わせ
  • ネコも動物病院プロジェクト
PAGETOP


PAGE TOP